NIPPON TABERU TIMESを運営するのは、一般社団法人日本食べる通信リーグ。同サイトができた背景には、一次産業の衰退がある。TPPによって、海外から安価な食品が輸入されてくるなか、時間をかけて丁寧につくる小規模農家の存続が危ぶまれている。

同団体では、安価な食品に対抗するには、価格競争ではなく、生産者のファンコミュニティをつくることがカギと考えた。日本食べる通信リーグ理事の本間勇輝さんは、「顔の見えない1万人に売るのではなく、顔が見える100人に売っていくべき」と話す。そして、ファンコミュニティをつくるためには、「高性能の機具でも、ブランディングでもなく、コミュニケーションだと気付いた」(本間さん)。

本間さんが指摘するように、農林水産業の生産者と消費者のコミュニケーションの機会は少ない。マスメディアの扱いも課題だ。

同サイトで発信している情報は主に2種類。1つは、生産者が自分のブログで書いた文章の転載、そして、もう一つは編集部で企画したもの。編集部では、生産者のブログ記事をもとに、まとめ記事を制作したり、生産者との対談企画を行う。

編集長は、日本食べる通信リーグ代表の高橋博之さん。高橋さんは、食べ物付きの月刊誌「食べる通信」の発起人だ。同雑誌では、毎月、生産者の記事が掲載された雑誌とともに、その生産者がつくった旬の食材が発送される仕組みを持つ。第一号の「東北食べる通信」は2013年7月に始まり、2014年5月には「四国食べる通信」が生まれた。消費者と生産者のコミュニティをつくるこの仕組みは全国に広がり、今では、22地域に派生している。

食べる通信は全国に広がっている。中央にいるのが、高橋さん

食べる通信は全国に広がっている。中央にいるのが、高橋さん

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