「ヤフーは、世の中のあらゆる課題をITの力で解決するために存在する」――こう話すのは、ヤフーの宮坂学社長だ。同社は、さまざまなサービスを通して、個人のエンパワーメントを推進する。ヤフーのCSR(社会的責任)活動を追った。
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2016年4月に「障害者差別解消法」が施行され、だれもが平等な機会を得られるように、社会の障壁を取り除くことが求められるようになった。ヤフーは2013年に「ウェブアクセシビリティ方針」を発表し、障がいの有無にかかわらず、すべての人にとって使いやすいウェブサービスの開発を進めてきた。こうした取り組みを支えるのが、デザイナーとエンジニアだ。
ヤフーは2016年9月17―18日、三陸沿岸で「ツール・ド・東北 2016」を開催した。3700人以上が出走する一大自転車イベントで、同社の社会貢献事業の柱の一つだ。4回目を迎えた今年は「東北の新しい魅力を発見」がテーマ。今後、ツール・ド・東北は「サイクル・ツーリズム」の推進で観光振興を目指す宮城県を応援していくという。昨年の気仙沼ワンウェイフォンド(95km)に続き、北上フォンド(100km)を取材した。
4月14日、16日の二度にわたり、熊本は大きな地震に見舞われた。ヤフーは熊本地震発生直後から、関連情報の発信を続けたほか、Yahoo!基金による緊急支援金を受け付け、これまでに寄付金約5億円を集めた。21日には社員6人が現地入りし、アジアパシフィックアライアンス・ジャパン(A-PADジャパン)らと連携して支援活動を開始。ヤフーは現地に向き合い、本当に必要な支援を届けることを目指している。
ヤフーのCSRの「あるべき姿」とは ステークホルダーダイアログ
ヤフーのCSRの「あるべき姿」とは何か。今年、設立20周年を迎えたヤフーは、これまでの事業や社会貢献活動を振り返り、これからも社会の期待に応え続けるため、2016年2月19日にステークホルダー・ダイアログを開催しました。その模様をご報告します。前半は、3人の有識者にCSRの取り組みに関する評価をいただきました。
ヤフーの宮坂学社長は、自社のCSRサイトのリニューアルに際し、ITの力を生かして社会的課題を解決する取り組みについて語った。宮坂社長は、「インターネットを活用できる人を増やす」ことが使命であると考える。eコマースや広告などの本業を通じて、インターネットを活用できる裾野を広げていけるようにしたいと考える。東北復興への意気込み、戦後70年企画の狙いについても触れた。
「エンパワーメント」(※)――。聞き慣れない言葉かもしれないが、人間の潜在能力を引き出すことで、個人や集団の自立を促し、平等・公正な社会を実現するという意味だ。人口減少や高齢化など社会的課題が山積みの日本で、ヤフーというIT(情報技術)企業がどこまで課題の解決に貢献できるのか。元プロ陸上選手で、障がい者スポーツにも力を入れる為末大さんと、ヤフー株式会社副社長の川邊健太郎に語ってもらった。
自治体に寄付することで、その地域を支援する「ふるさと納税」。寄付額のうち2000円を超える部分について、所得税と住民税から原則として全額が控除される制度(一定の上限はあり)で注目を集めている。ヤフーが提供する「Yahoo!公金支払い」は、ふるさと納税のオンライン決済を可能にしたことで、決済件数と決済金額の増加に貢献している。ヤフーは地域の課題にどのようにかかわっているのか、「Yahoo!公金支払い」プロジェクトマネージャーの児嶋利男、同プロジェクト担当の内藤剛に話を聞いた。
子どもたちに自転車の楽しさを伝えたい――。ヤフーは6月14日、今年9月に開催予定の「ツール・ド・東北 2015」に連動した「子ども自転車教室」を、石巻専修大学グラウンド(宮城県石巻市)で開催した。子どもたちは安全な自転車の乗り方を学び、最後には「みんなで復興ライド」から真新しいヘルメットがプレゼントされた。
「Yahoo!ショッピング」は、2013年の「eコマース革命」で出店料無料に踏み切って以来、急速にストア数を伸ばし、31万店舗を達成した(2015年6月末)。社員が直接地方の生産者や経営者のもとまで900回近く出向き、地方に眠る逸品の商品化を後押ししてきた。無料化によって固定での出店コストがかからないため、地方の旬なもの、その時期しか採れないものなど季節限定の商品を売りやすくなったことも出店の動機付けとなっている。全国に販路を拡大できるeコマースは、地方活性化の起爆剤になる可能性を秘めている。
ヤフーは東日本大震災の復興支援と、震災の記憶を未来につなげることを目的として2013年から三陸沿岸を自転車で走る「ツール・ド・東北」を開催している。復興の現場を体全体で感じ、地域とともに盛り上げる一大イベントだ。今年9月12日、13日に開催された「ツール・ド・東北 2015」では、石巻専修大学をスタート地点とした「女川・雄勝フォンド(60km)」「北上フォンド(100km)」「南三陸フォンド(170km)」「気仙沼フォンド(211km)」に、新たに気仙沼をスタート地点にした「気仙沼ワンウェイフォンド(95km)」が加わり、計5コースが用意された。当日は過去最高の約3500人が出走。気仙沼から石巻まで、被災地の今を自転車ジャーナリスト・山本修二さんにレポートしてもらった。
9月12日、13日に開催された「ツール・ド・東北 2015」では今年初めて、「民泊」が有償で実施された。民泊とは一般家庭に宿泊する仕組みで、参加ライダーの宿泊先確保と、宿泊を通じで地域の「交流人口」を増やし、その後の継続した復興支援につなげることを狙っている。今年は2日間で225人が民泊に参加した。