「大地の花咲き」は、農薬や肥料を使わず、野菜に「元気か」「ありがとう」と声を掛けながら育てる佐々木ファーム(北海道虻田郡)の日々を描いた作品。虫や雑草、規格に満たない小さな野菜なども、大切な命として捉える姿にフォーカスしている。

声掛けで野菜を育てるという農法にたどり着いたきっかけは、佐々木ファームの村上社長夫妻が愛息子・大地君を亡くしたこと。予告編で村上氏は「息子の大地は亡くしたが、自分が立っている大地が息子そのものだと思ったら、命にあふれていると感じた。この命たちと生きていきたい」とコメント。

無農薬、無肥料で育った野菜

無農薬、無肥料で育った野菜

メガホンをとった岩崎靖子監督は「佐々木ファームは、無農薬、無肥料という、今まで非常識だと思われていたことにチャレンジしている。いろんな命と共存しながら農業をするなんてきれいごとだと思っていた。人間が生きていくためには、何らかの犠牲は仕方ないと、あきらめていた私に希望を与えてくれた。一言で言い表せない命の営みに触れてほしい」と述べた。

8月22日に札幌市で行われた初上映イベントには、800人以上が集まった。観客からは「私も『ありがとう』とみんなに言いたくなりました」「とにかく愛がいっぱいでした」「地球上のすべての問題を解決するヒントがこの映画にあります」などの感想が寄せられた。上映会では、村上夫妻の講演も行う予定。

「大地の花咲き〜洞爺・佐々木ファーム“喜び”ですべてを繋(つな)ぐ〜」

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