9月12日、13日に開催された「ツール・ド・東北 2015」では今年初めて、「民泊」が有償で実施された。民泊とは一般家庭に宿泊する仕組みで、参加ライダーの宿泊先確保と、宿泊を通じで地域の「交流人口」を増やし、その後の継続した復興支援につなげることを狙っている。今年は2日間で225人が民泊に参加した。文=吉田広子(「オルタナ」副編集長) 写真=池田真隆(「オルタナS」副編集長)

齋藤さん宅に民泊した参加者たち。左から平松寿典さん、齋藤一郎さん、佐藤愛さん、高世軒さん、李伯芳さん、陳東南さん

齋藤さん宅に民泊した参加者たち。左から平松寿典さん、齋藤一郎さん、佐藤愛さん、高世軒さん、李伯芳さん、陳東南さん

「震災当時、ニュースの映像を見てショックで涙があふれた。ずっと復興してきた被災地の現状を知りたいという気持ちがあったので、『ツール・ド・東北』を楽しみにしていました」

台湾から「ツール・ド・東北」に参加した陳東南(チェン・トン・フー)さん、李伯芳(リー・ボ・ファン)さん夫妻は、「ツール・ド・東北」への思いを語る。

「ツール・ド・東北」の前日、夫妻は宮城県東松島市で民泊。宿泊先を提供したのは齋藤一郎さん(48)だ。齋藤さんは宮城県石巻市出身で、24歳のときに東松島に移り住んだ。その後、仕事の都合で家族と仙台で暮らすようになったが、両親はその家に残って暮らしていたという。そして2011年3月11日、東日本大震災が起こった。

この続きはこちら

[showwhatsnew]