オルタナSは4月20日、武蔵大学江古田キャンパスでソーシャルビジネスを研究する自主ゼミを開いた。このゼミは、武蔵大学社会学部メディア社会学科松本ゼミの協力のもと、毎月1回実施される。昨日行われた第1回目は、参加者で「ソーシャルビジネスの条件」を考えた。(武蔵大学松本ゼミ支局=舛田 貴司・武蔵大学社会学部メディア社会学科3年)

武蔵大学松本ゼミ支局のメンバーとオルタナSの告知を見て知った学生数名を合わせた約15名で初回の自主ゼミは行われた

武蔵大学松本ゼミ支局のメンバーとオルタナSの告知を見て知った学生数名を合わせた約15名で初回の自主ゼミは行われた

講義の前半はソーシャルビジネスの仕組みについて、講師のオルタナS副編集長・池田真隆氏の指導のもと学んだ。後半はグループに分かれて、「ソーシャルビジネス5つの条件」と題して、参加者同士でディスカッションを行った。

筆者自身は昨年、松本ゼミでソーシャルビジネスに関するトークイベントを企画した。ゲストに、ボーダレス・ジャパン代表取締役副社長の鈴木雅剛氏を招いた

筆者自身は2015年5月、松本ゼミでソーシャルビジネスに関するトークイベントを企画した。ゲストに、ボーダレス・ジャパン代表取締役副社長の鈴木雅剛氏を招いた

ソーシャルビジネスとは、社会的課題の解決を目的とする事業のこと。形態はさまざまあり、1つの企業の事業領域全てを指すこともあれば、事業型のCSR/CSV活動もそういわれている。ソーシャルビジネスが生まれたのは、1980年代以降。当時、米や英で社会保障費が削減されたことで、公共サービスを補完する形で現れた。

ソーシャルビジネスは、通常のビジネスモデルと異なる点がいくつかある。その一つが、顧客の数。例えば、貧困問題を解決する事業では、第一の顧客となるサービスの受益者は貧困に苦しむ人々なので、彼/彼女らからは対価を得ることはできない。その事業に共感した第2、第3の顧客から対価を得ていく仕組みが必要になる。

通常のビジネスのように市場規模を見込んでから参入していくのではない。まず、社会的課題を見つけ、その課題を解決していくビジネスモデルを考える。市場はなく、新たに市場をつくりだしていかなければいけない。だからこそ、ソーシャルビジネスを軌道に乗せるためには、高度なビジネススキルだけでなく、共感を集める人間性も求められる。

後半はグループに分かれて、「ソーシャルビジネス5つの条件」をつくった。今回つくった5つの条件を仮説として、第2回以降、実際にソーシャルビジネスの領域で活躍している人を招いて話を聞いていく。実際のプレイヤーたちがっているビジネスモデルを聞きながら、5つの条件をブラッシュアップしていく。

学生たちでつくった「ソーシャルビジネス5つの条件」

学生たちでつくった「ソーシャルビジネス5つの条件」

初回のゼミを終えて、講師の池田氏は「ソーシャルビジネスを学び、働くとは何か、自分たちなりに答えを見つけてほしい」と話した。

著者自身は地域活性やまちづくりに興味がある。出身地である徳島県で、ソーシャルビジネスの領域で活動している企業はいくつか思い当たるところがある。今後も自主的に学んで行きたいと思う。

第2回は5月18日(水)18時半から武蔵大学江古田キャンパス(7号館3階スタジオ)で行われる。大学生・社会人問わず参加可能。詳しくはオルタナSの「オルタナS自主ゼミ開講!「ソーシャルビジネス」を研究」の記事を参照していただきたい。

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