大学の夏季休暇や春期休暇を利用して、東北で漁業支援を行う学生団体がある。ワカメの加工作業やホヤの養殖の手伝いをし、地元漁師の家などにホームステイする。リピーター率も高く、東北にできた「第二の実家」に里帰りするような感覚で参加するという。(オルタナS副編集長=池田真隆)

ホヤの養殖作業をする大学生たち

東北へのボランティア企画を組んでいるのは、石巻応援団「おしか」。2013年の3月に、坂田航さん(上智大学文学部3年)が立ち上げた。支援先は、宮城県石巻市牡鹿半島だ。これまで、2回(2013年8月、2014年3月)ツアーを実施しており、大学生40人ほどが参加した。

参加者たちは、牡鹿半島の谷川浜と小渕浜の漁師宅や漁師が所有する仮設住宅に泊まる。そのため宿泊費はなく、食事も採れたての海の幸を堪能できる。自己負担するのは、石巻までの交通費だけだ。学生たちは、人手が必要なホヤの養殖やワカメの加工場で作業する。

坂田さんが復興支援活動を始めたきっかけは、ある漁師との出会いからだ。2012年9月、ピースボートのボランティア企画として、初めて東北・石巻を訪れた。そこで、ホヤの養殖を行う60代の漁師と出会った。2012年の年末、その男性から、「ホヤの養殖シーズンに、人手が足りない。力を貸してくれないか」と連絡が来た。

牡鹿半島の漁師と大学生たち(写真左端が坂田さん)

その思いに応えようと、学生を呼び集めた。リピーターが多く、「夏休みに実家に里帰りするような感覚」と坂田さんは話す。「あの人に会いに行きたい」と、気軽な気持ちで参加するという。

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