8月1日 池袋の勤労福祉会館にて、東京に避難中の東日本大震災被災者の方達向けに、東京都司厨士協会に所属するシェフ達による料理会が開催された。
墨田区に避難されている東北の方々 約70名が集まり、被災者の方達での交流を目的とするこの交流会も今回で二回目を迎える。
2回目ということもあり、以前に同じ交流会に参加された人同士の交流や、元々の居住地の近い人同士での交流もみられ、雰囲気は和やかなものだった。
この料理会の発端は、司厨士協会から社会福祉協会側に同ボランティアの打診があり、始まったもの。
司厨士協会は大手ホテルなどのシェフを中心とした社団法人であり、会社組織を超えた連携活動をしている。
豊島区長 高野之夫氏の挨拶に始まり、全日本司厨士協会 会長の宇都宮氏や、同協会の東京地方本部会長の大矢氏も挨拶されていた。
大矢氏は冒頭の挨拶中、感極まり涙する場面もあった。
料理会に参加していたシェフ達は、下記の総料理長や料理長など。
いずれも有名ホテルや学校の方達だ。
・ホテルメトロポリタン
・サンシャインシティプリンスホテル
・ホテルベルクラシック東京
・東京ドームホテル
・武蔵野調理師専門学校
・椿山荘
椿山荘の村田総料理長は、同社ではいわきや郡山などに施設を保有し、他人ごとじゃないと語られていた。
料理の内容は、和食・洋食・中華をバランス良く用意し、被災者の方達に配慮されたものであった。
前日から、それぞれのホテルで仕込みをしていたとのこと。
テーブルごとに、ふるさとのエリアが近くなるように席を配置してあり、交流を促すものであった。
福島から避難された高齢の方にお話を聞いてみると、現在は墨田区のマンションに住んでおり、同マンションには数組の避難世帯がいるがあまり交流は無いという。外に出る機会も多く無いとのことで、こういった機会は非常に嬉しいとお話されていた。
また、参加された若いシェフの方からコメントを頂くことができた。
「被災者に対するボランティアは初めてだが、喜ばれる顔を見ることができて嬉しい。他のホテルのシェフと一緒に活動出来る稀有な機会にもなった。」
「丁寧なお礼を言われて、こちらこそ恐縮してしまった」
取材させていただいた印象として、シェフの方達の気迫と配慮に尊敬の念を覚えた。初対面のシェフ達も多い中で、上手く統率・チームワークが効いており、一流の方達の凄さを率直に感じてしまった。
記事/撮影:オルタナS 特派員 滝井圭一