スウェーデンに留学をしていた日本とタイの大学生たちが1月11日、シリア難民の笑顔の裏側に迫った映画の上映会を開く。映画に登場するのは、学生たちが留学中に交流した一人のシリア難民。映画を通して、難民問題に対して日本人は何ができるのか話し合う。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

難民問題に対して、私たち日本人は何ができるのか問いかける

難民問題に対して、私たち日本人は何ができるのか問いかける

同映画のタイトルは、「境界を越えて~スウェーデンで出会った8万分の1の難民」。製作したのは、林将平さん(早稲田大学国際教養学部3年)。この映画は、林さんがスウェーデンに留学しているときに出会った、シリア難民のFayz(ファイズ)さんの生き様を収めた。

ファイズさんは林さんたちに明るく話しかけてくれるが、その笑顔の裏には、苦難が隠されていた。2011年3月から始まった戦争を機に、彼は愛してやまない故郷を追いやられ、多くの友人を亡くした。

命からがら逃れ着いたのがスウェーデンだった。しかし、スウェーデンでも、政府は国境検査を強化するなど、難民に対する姿勢は厳しい。戦火から逃れた地で、ファイズさんは何を思うのか。難民キャンプや、スウェーデン市民の声、そして、3年ぶりに再会を果たした家族との交流から見えた、個人として、同じ人間としての難民の姿を追った。

上映会では、日本に逃れてきたシリア難民で、2015年に難民認定を受けたジャマールさんをゲストに迎え、難民の苦難について話してもらう。

世界全体で難民は7000万人に及ぶ。2015年に日本で難民申請をした7586人のうち、日本政府が難民認定をした人数はわずか27人のみ(参考:法務省入国管理局「平成27年における難民認定者数等について」)。

難民申請に必要な書類は膨大で、高さ10センチに及ぶ。日本語が読めない場合、書類に記入することが困難で、プロボノで弁護士に依頼するしか方法がない。難民認定を受けられないと、家を借りることや、安定した仕事に就くことが難しい。

【「境界を越えて~スウェーデンで出会った8万分の1の難民」】
とき:1月11日(水)18:00~20:00
ところ:早稲田大学早稲田キャンパス22号館206号室 
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