独自の受注生産システムを開発して、高額なエシカルファッションを安価な価格で提供しようという動きが起きている。原則、アパレルの流通システムでは、メーカーが商品を小売業に卸し販売している。そのため原価の3~5倍の価格で店頭に出るので、フェアトレードや生産者の手作り商品は高額になりがちだった。(オルタナS編集長=池田 真隆)
草木染めのインナー&ファッションブランドであるLiv:ra(リブラ)を展開するHighLogic(大阪府大阪市)代表の小森優美さんはクラウドファンディングサイト「GREEN FUNDING」で資金調達に挑戦している。目標金額は50万円。集まった資金は商品の受注生産費と独自の受注生産システムの開発費用に充てる予定だ。現在は32万9000円が集まっている。募集期間は9月30日まで。
独自のシステムとはこうだ。これまで、商品を開発しているメーカーは、在庫の予測を立てて、小売に卸すことで、商品を販売してもらっていた。
コストが2000円(原価)の商品だと、小売に4000円で売り、小売は約50%の掛け率をし、8000円で販売する。原価の3倍〜5倍で販売されることになっていた。
そこで、小森さんは、「在庫を持たず、小売を介さず、メーカーが直接購入者とつながるようになれば、30~50%の価格を抑えることができるようになるはず」と考えた。エシカルファッションは生産者とフェアトレード契約を結んでいることが多く、ファストファッションブランドなどに比べるとデザインの種類も少なく、価格が高かった。
小森さんは、「求められた商品だけを生産するようになれば、企業が無駄な在庫を持つこともなくなる。地球環境や社会のことを全員で考えなくても、気軽に社会問題を解決していくことができる世界が実現するだろう」と胸を張る。
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