「障がい者は恋愛に意欲的、一方で交際相手がいる人は2割」――。約500人の障がい者に聞いた調査ではこのような結果が出た。交際相手を求め、学校や職場、婚活/恋活サービスなどで出会いを探している人が多いようだ。一方で、恋愛に対して消極的な人からは『恋愛が面倒』『交際が怖い』といった声も聞かれた。(オルタナS編集長=池田 真隆)
この調査を行ったのは、障がい者の就労支援などのソーシャルビジネスを展開するゼネラルパートナーズ(東京・中央)の調査・研究機関「障がい者総合研究所」。調査対象は、20代以上の身体・精神・知的障がい者478人。障がい者の恋愛への想いを明らかにするために行った。
「現在、交際相手がいる」と答えた人の割合は2割。交際相手に何らかの障がいがある人は32%であり、半数以上は障がいが無い人と交際している。
また、交際相手がいない人については、73%が「交際を望んでいる」と回答しており、恋愛に対して意欲的なことが分かる。実際に交際相手と出会うために行動している人も多く、具体的には「学校や職場などで出会いを求めた」(44%)が最も多く、「一般の婚活/恋活サービスを利用した」(37%)、「友人・知人から紹介してもらった」(27%)が続く。
一方で、交際相手がいない人のうち、27%は「交際を望まない」と回答しており、恋愛に対して消極的な様子が見られた。その理由としては「恋愛が面倒」(37%)、「交際するのが怖い」(36%)といった声が多く、障がいがあることで恋愛に臆病になっている人もいるようだ。
こうした傾向はフリーワードでも見られる。
「健常者のなかで自分は恋愛対象に入らないと思う(男性/20代/身体障がい)」
「交際するだけの資金的、精神的余裕がない(男性/30代/精神障がい)」
「理解されにくい病気のため、病気のことを話すのが怖いし、先に結婚の無い交際は年齢的に難しいと思うので(女性/30代/身体障がい)」
「障がいを受け入れてもらえないと思う(女性/40代/精神障がい)」
「大切に想う人だからこそ、病気で迷惑をかけるのが嫌(男性/30代/精神障がい)」
など、障がいを恋愛することへのハードルとして感じている人も少なくないようだ。
こうした声を受け、同調査を実施した障がい者総合研究所 所長の中山伸大さんは、「交際や結婚につながる出会いを促進するだけでなく、幸せな恋愛ができている事例など、安心して前に踏み出せるような情報を提供していくことも必要だと思う」と述べた。
■ゼネラルパートナーズ社が行った恋愛に関する調査はこちら