世界気象機関(WMO)はこのほど、日本を襲った記録的な豪雨と猛暑などの一連の異常気象が温暖化に伴う気候変動の影響によってより極端になった可能性について、スイス・ジュネーブで行われた記者会見で言及した。気候変動の加速によって強烈な異常気象が発生する頻度は、今後さらに増えるとみられている。このような懸念が強調される中、今年の9月は気候変動問題解決に向けて世界中が大いに盛り上がる月となりそうだ。(寄稿・棚尾 真理絵)

市民も動く「RISE FOR CLIMATE!(気候変動防止のために立ち上がろう!)」

■市民・企業・自治体が先導する「グローバル気候行動サミット」

9月12~14日に気候変動問題解決に向けた「意欲的な取り組みを次の段階へ持っていく」ことをテーマとした国際会議、「グローバル気候行動サミット」(Global Climate Action Summit-GCAS)が米国カリフォルニア州のサンフランシスコで開催される。

この会議を主催する、カリフォルニア州知事のジェリー・ブラウン氏は自身の州が気候変動から受ける影響を真剣に受け止めていて、サミットを開催する理由として「人類の存亡を脅かしつつある気候変動という脅威に立ち向かうため」と述べている。

サミットに集うのは市民団体、都市や自治体、企業などの国家政府以外のいわゆる「非国家セクター」と呼ばれているグループである。世界の平均気温の上昇を1.5~2度未満に抑えるために、様々なプレーヤーがどのような気候変動対策を行っているかを発信する。CO2排出量削減に向けた新たな野心的なコミットメントを会議で打ち出す予定だ。

日本では、「パリ協定」の実現を目指す、国内の企業、金融機関、自治体、研究機関、NGOが参加する「気候変動イニシアティブ(Japan Climate Initiative:JCI)」が7月に発足された。ソニー、イオン、パナソニック、NTTドコモなどの大手企業や東京都・横浜市・京都市を含む前向きな自治体が参加している同グループは9月、GCASに参加する予定を発表している。

GCASに先立って、世界中の市民が気候変動に対するさらなるリーダーシップを応援するために9月の初旬から中旬にかけて世界各地で「RISE FOR CLIMATE!(気候変動防止のために立ち上がろう!)」というアクションが開催される。

世界中の市民が様々なかたちでRISEして(立ち上がり)、100%再生可能エネルギー社会への移行を求めることで、実際のGCASを盛り立たせる意図を持ったイベントだ。

RISEアクションへの参加を表明している350.org Japanは化石燃料や原発関連企業との取り引きがない「地球にやさしい銀行」を応援するイベントを日本各地で企画している。

同団体は9月のGCASおよびRISEアクションに対する日本での認知度向上を狙ったイベントを8月17日に東京で開催する。GCASに向けて動いている、「気候変動イニシアティブ(Japan Climate Initiative:JCI)」の関係者もスピーカーとして参加する。

〜市民・自治体・企業 によるパートナーシップで気候変動防止を目指す〜
日時:8月17日 (金)1900-21:30(18:30会場)
会場:〒1080075 港区港南1-6-41 品川クリスタルスクエア(C会議室)
参加費:1000円 ・学生500円(軽食付き)
参加登録:https://goo.gl/forms/ipGfmkAdvWFEVKbI2

プログラム
・リレー講演【各15分ずつ】
1「脱炭素化をめざす世界の最前線に日本から参加する気候変動イニシアチブ」
2「自治体がリードする気候変動対策」
3「団体や企業が応援できる地球にやさしい金融の流れ」
4「脱炭素社会の実現に向けた金融機関の役割」
5「市民社会が導くダイベストメントの最前線:日本もRISEする」
・パネル・ディスカッション【30分〜45分】
・質疑応答【10分】
・懇親会【30分】


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