新梅田シティで5月23日、昨秋完成した「希望の壁」のグランド披露セレモニーが開催され、ガイドツアーや「花と緑のカフェ」、初の一般公開となる「希望の壁」内部見学会などのイベントが2日間にわたって開かれた。(オルタナS関西支局長=神崎 英徳)

一般向けに初公開された希望の壁内部

「希望の壁」は建築家安藤忠雄氏の発案を受けて、積水ハウスが設置した高さ9メートル、長さ78メートルの巨大緑化モニュメントだ。開花時期の異なる草木を計画的に配置することによって、四季に応じて色とりどりの花が咲き乱れ、表情が変わる。ガイドツアーの参加者からは「都会にこんな緑があるとは」と驚きの声が聞かれた。

「希望の壁」のコンセプトは「参加し、育てる都市の新しい立体緑化」。単に、鑑賞する「緑」ではなく、多くの蝶が舞うバタフライ・ウォールにし、子どもたちに命の営みや循環を実感してもらうことを目的にしている。

積水ハウスが推進する生態系に配慮した庭づくり「5本の樹」計画に基づいて、自生種や在来種を中心に植栽。隣接する約8000平方メートルの「新・里山」とともに、鳥や昆虫など、多くの生き物の生態系を守るために極力農薬の使用を抑え時間と手間をかけながら管理している。

23日は、関西各界を代表するオピニオンリーダー600人を前に、安藤忠雄氏が「大阪の夢を考える」と題して講演会を開催。

一般向けイベントの花と緑のカフェには2日間で2000人が参加した。ガイドツアーでは「希望の壁」で、シバザクラやローズマリー、みかん、春キャベツ苗などを対象に、どんな蝶やその幼虫・卵がいるかを観察した。

新里山で行われたサツマイモの植え付け

「新・里山」の畑でサツマイモの植え付けや玉ねぎの収穫を楽しんだ。「畑ではカエルもいて、自然に触れ合う機会を持つことができました」(参加者)と、親も子どもも自然と笑顔がこぼれる場所となっている。通常の都会では味わえない体験スペースが、大阪中心部に誕生した。