20,21日、トヨタによる被災地支援プロジェクト「ココロハコブプロジェクト」の一貫で本を被災地に届ける「Hon for Japan」の第4回目が行われた。気仙沼に本5000冊を届けてプレゼントし、首都圏の大学の放送系サークルに属す学生3人が現地で本の朗読を行った。

鈴木健司さん(法政大学3年)は『じゅげむ』を朗読


20日には仙台で、全国から集まった約5000冊の本の搬出作業を行った。特に人気があるのは、児童書や漫画、辞書など。「本は食べられないし、受け入れられるのかという不安もあったが毎回多くの人が来てくれる」という。(「Hon for Japan」佐藤浩幸さん)



21日、気仙沼で本のプレゼント会が行われた。10時の配布開始前には約100名の長蛇の列ができていた。「こんなに多くの人が開始前に並んでいたのは初めて」(同、佐藤さん)だという。Twitterや街中でのチラシを見て集まった人が多かった。

開始前に約100名の長蛇の列が


当日は首都圏の大学の放送系サークルに所属する、鈴木健司さん(法政大学3年)、馬場景子さん(法政大学3年)、山崎里恵さん(大妻女子大学2年)の3名が集まった人に向けて朗読を行った。

参加した3名は、それぞれに手応えを感じたようだ。
鈴木さん「緊張したが、笑ってくれたり、耳を傾けてくれるのがヒシヒシと伝わって来てありがたいと感じた」(川端誠『じゅげむ』を朗読)

山崎さん「一番前の女の子が前のめりになって聞いてくれたり、大人の方もじっくり聞いてくれて嬉しかった」(星新一『きまぐれロボット』より『リオン』を朗読)

山崎里恵さん(大妻女子大学2年)は『リオン』を朗読


馬場さん「詩を朗読しながら、聞いてくれている人と目が合って詩の内容が伝わった気がした」(川口晴美編『名詩の絵本』を朗読)

馬場景子さん(法政大学3年)は『名詞の絵本』からいくつかの詩を朗読


5,000冊あった本は、ほとんどなくなった。佐藤さんは「気仙沼は思ったより元気だが、少し海側にいくとまだまだ瓦礫の山です。震災を多くの人が忘れないでほしい。そのためにHon for Japanはあります。今回、全国から集まった本とともにみなさんの思いが届いたと思う」と熱く語った。今後も継続して本を届ける活動を行っていくという。(オルタナS編集長 猪鹿倉陽子)