「出品頻度に比例して、エコへの関心も高まる」――フリマアプリ大手のメルカリは世界環境デーの6月5日、同アプリのユーザーを対象にした調査結果を発表した。その結果、8割が廃棄する梱包材を「もったいない」と感じ、出品頻度が多い人ほどエコへの関心が高まっていることが分かった。同社では、創業以来「循環型社会の実現」を重点課題として定めており、同日、繰り返し使える梱包材の提供を開始した。(オルタナS編集長=池田 真隆)
今年5月にメルカリがユーザーを対象に行った調査では、1年以内に出品した7933人に聞いた。調査の結果、ECなどの利用で、廃棄する梱包材が増え、「もったいない」と感じる人が8割に上ることが分かった。
「エコへの関心」の変化について聞いたところ、出品頻度が高い人ほど、「関心が高まった」と回答する傾向にあった。
同社が開発した梱包材は「メルカリエコパック」という名称。テントなどで使用するターポリン素材でできているので、数百回までは繰り返し利用できる。密封性の高い止水ファスナーを採用。サイズは縦193mm、横312mm。
今回は試験的に5000個を配布する。同アプリの月間利用者は1300万人で、2013年2月から2019年2月までの累計の取引件数は11億件を超えている。
メルカリエコパックを入手する方法は3つある。一つ目は6月10日から7月31日までの間に、メルカリストアで商品を購入すること。購入者のなかから、抽選で1000人に配布する。
二つ目は、6月10日から6月30日までに特定非営利活動法人グリーンバードが主催するごみ拾い活動へ参加すること。活動終了後に同団体が配布する。同団体が運営するコミュニティスペース「subaCO」(東京・渋谷)でも配布している。
メルカリ創業者である山田進太郎は、起業する一年前の2012年に新興国を中心に世界一周の旅に出た。地球の資源が有限であることに気付きながら帰国すると、日本では、スマートフォンが急速に普及していた。新興国を含む全世界の人がスマートフォンを活用することで、より資源を大切に使うことができるのではないかと考え、「メルカリ」を思いついた。
EC市場が急速に伸びた一方で、梱包材の消費も増えたことに課題を持ち、繰り返し使える梱包材を開発した。今回は試験的に5000個を配布するが、利用状況を検証して、今後の展開へつなげていく。