西粟倉村の木材を使ったオフィスが「みなとモデル二酸化炭素固定 認証制度」の最初の認証事例となり、その認証書の授与式が東京都港区の主催で 9 月 2 日に行われた。

 

授与式のあとの懇談会の様子。

左から、内装や家具製作を担当した西粟倉・森の学校の牧社長、西粟倉村の道上村長、港区の武井区長、ブックリスタの今野社長、デザインを担当したメイドイントウキョウの北村社長。

 

 

「みなとモデル二酸化炭素固定認証制度」とは、東京都港区での国産木材の活用を促進することで建築物中の二酸化炭素(CO2)固定量を増加させ、地球温暖化防止に貢献することを目指す制度だ。全国 32 の自治体(西粟倉村を含む)が同制度により港区と木材供給の協定を結び協定自治体として登録されている。「みなとモデル」の正式な運用開始は今年の10月1日からだが、ブックリスタのオフィスが協定木材を利用した優良事例として高く評価され、プレ認証という形で制度開始に先立って認証を受けることになった。

 

ブックリスタのオフィス


1997年に採択された京都議定書は、CO2をはじめとした温暖化ガスの排出削減を目的としている。その中で森林は温暖化ガスの吸収源として、その管理と蓄積されるCO2の評価について注目されてきた。京都議定書では、森林は伐採した場合排出と見なされるが、京都議定書の定める2012年以降の枠組みとしては、木材や紙製品として蓄積されるCO2を評価すべきだという議論が進められている。そのため日本でも世界でも、伐採後の木材でできた製品に固定されたCO2の定量的な評価方法について、試行錯誤が続けられてきた。今回のブックリスタのオフィスでは西粟倉村の木材がふんだんに使われ、そこに蓄積されているCO2も数値で算出されたことから、この事例は低酸素社会の実現においても先駆的な取り組みとなった。

 

地域の資源を上手に使い、人が生態系のサイクルに溶け込んで森に寄り添って暮らす。都市も、田舎も、森も元気になる。そんな持続的な低炭素社会へのきっかけとなる事例である。

 

西粟倉・森の学校が手掛ける間伐材のオフィスについてはこちら

http://www.nishihour.jp/office

 

オルタナS 岡山支局特派員 熱田尚子