歴史的背景から、マレー系、インド系、中国系の三つの民族が住む多民族国家・マレーシアに、このほどマレーシア発のエコ・ナチュラル系生活雑貨のショップ「マテリアル:物料」が登場した。

リネン、フェルト、木材、籐などナチュラル素材を使った雑貨はもともと欧米のライフスタイルのものだ。日本や台湾、韓国が生み出した「欧米風ナチュラルライフ」に感銘を持ったマレーシアの中国系デザイナーが、さらにマレーシア流にアレンジしたものだ。

「マレーシア・オリジナルの無印良品にしたい」と、クアラルンプール・ファーレンハイト88店のスーパバイザー、フン・ユン・ウェイさんは語る。無印良品(MUJI)は隣国のシンガポール、インドネシアには進出しているが、残念ながらマレーシアにはまだ店舗がない。「シンプル、機能的、そして環境に配慮したデザインや素材。日本や台湾や韓国には、MUJIだけじゃなく、ナチュラル、エコがコンセプトのショップがいっぱいある。IKEAっぽいけど、アジアっぽさがあるデザインを、マレーシア発でやりたい」という。近年マレーシアは政府観光局がエコツアーに力を入れている事もあり、市民の中でも環境への意識が高まりつつある。

同店内には、リネン素材やボーダーなどのナチュラルファッションや、デザイン性の高いウッド雑貨、新聞で作ったというゴミ箱人入りなど自社ブランドのほか、韓国や台湾の雑貨も多い。日本の「Marks」「Delfonics」の手帳や筆記用具もそろう。アジア発の「エコでスタイリッシュ」なデザインを感じれそうだ。




現在は首都クアラルンプールに一店、隣のスランゴール州に一店、世界遺産にもなりロングステイの日本人も多く住むペナンに二店。年内に三店さらにオープンする予定だ。(東南アジア特派員 星きみ)