ドラゴンアートと言われる、龍の型を彫る69歳の彫り士タディ(TADY)さん。その職人技に魅せられた、日本生まれで駒沢大学に通う中国人大学生ひょういきん(馮意欣)さん(20)が、マイクロパトロンプラットホーム「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」を使い、職人の職域拡大を図るプロジェクトを企画している。

見るものを魅了するドラゴンアート


経済産業省製造産業局の調べによると、
日本の伝統職人の人口は
1979年から2006年の間に28.8万人から9.3万人と
30年余りの間に67.8%と約7割も減少している。

タディさんはドラゴンアート彫り以外でも、かつて、木村拓哉が妻の工藤静香に贈った指輪を制作した実績も持つ。しかし、リーマンショック以降、不景気が影響して受注が大幅に削減したという。

ソーシャルメディアが発達した現代に取り残されている職人は多い。タディさんも六本木に住んでいながら、今年1月にひょうさんと会うまで2009年から地元六本木で開催されている「六本木アートナイト」の存在も知らなかった。なぜならタディさんはインターネットもスマートフォンも使わずにいたので、情報が届かなかったからである。

打ち合わせをする二人(写真左ひょうさん、写真右タディさん)


そこで、ひょうさんは情報が届かずにいることで、職人たちがチャンスを逃すことはもったいないと思い、当プロジェクトを開始した。居酒屋などの公共の場所に作品を飾り、作品の力で集客できることを証明し、タディさんへの制作依頼を増やす計画である。

ひょうさんは「職人が減っていることは、職人の価値が下がっている訳ではなく、
評価をする人が減っているから、価値が減っているのです。
職人の価値を正しく評価するには一部の人ではなく、
より多くの人に見てもらうことが、一つの条件です。タディさんの掘るドラゴンアートに集客力があるということを証明して、日本の職人が持つモノ作りの素晴らしさを多くの人に伝えたい」と熱意を語る。(オルタナS副編集長=池田真隆)


ひょうさんのプロジェクト
69歳の職人が掘る人生最大のドラゴンアート、職能を活かし新しい市場を共に創る



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