大阪の2大問題、ホームレスと放置自転車を同時解決する事業を、大阪の大学生たちが始めた。NPOを設立し、自治体と協働して進めるこの事業に、新しい街おこしの期待が高まる。NPOホームドア代表理事の川口加奈さんに聞いた。(聞き手・今一生)=文中敬称略

(オルタナ本誌「29号」からの続き)

HUBchariではシティサイクルを使用(写真は模型)


――大阪の2大問題、ホームレスと放置自転車の解決を目標に作られた「HUBchari(ハブチャリ)」には、2種類の利用の仕方があるようですね。

川口:そうです。一つはシェアサイクルとして。「ポート」と呼んでいるビル、ホテルなどの拠点で「HUBchari」(自転車)を借りて、他の拠点に返したり、借りたりできるサービスです。シェアの場合は、事前登録が必要です。

NPホームドア代表・川口加奈さん

まず、携帯電話もしくはパソコンから会員登録をし、利用登録完了メールを受付スタッフに見せれば、あとは月額料金735円を払っておくだけで、いつでも鍵を受け取って出発できます(※日額会員は210円で利用30分後から30分ごとに105円が追加課金)。

もう一つは、レンタルです。レンタサイクルは事前登録なしに借りることができます。借りられる場所はホテルや数拠点に限られていますが、他の拠点でもご返却できます。

拠点で利用登録証を記入し、利用料金700円とデポジット1000円を払えば、鍵とカード受け取り、出発できます。デポジットは返却時に返金されます。

――そうした「ポート」はビルなどのデッドスペースを利用しているそうですが、1箇所にはいくつの自転車を置いていますか。

川口:今のところは1箇所あたり3台から5台程度です。「ノキサキ貢献」という形で無料で利用させていただけるところを探しています。

―川口さんは来春卒業ですが、卒業後もこの活動を続けていく予定なんですよね。

川口:はい。「気持ちよい自転車で大阪を気持ちよく走ってもらいたい」「HUBchariに乗れば乗るほど、大阪の街や2大問題がどんどん良くなっていく」、それが私たちの願いです。


NPOホームドア 公式サイト

HUBchari(ハブチャリ)


*本記事は2012年10月に掲載されたものであり、年齢や日時は全て当時のものです。