農村部で暮らすミャンマーの子どもたちのために職業訓練所を建設する企画が立ち上がっている。企画しているのは、医大生らで構成されるNPOジャパンハートの学生チームだ。ミャンマーでおきる人身売買問題の解決を目指す。

ジャパンハートがミャンマーに持つ養育施設Dream Trainの子どもたち


同企画は、プロテニスプレイヤーでファッションブランドユニクロのグローバルアンバサダーのノバク・ジョコビッチ選手と、ユニクロが共同で発案した「clothes for smiles(クローズフォースマイル)」に募集したものである。

クロスフォースマイルでは、ヒートテックとウルトラライトダウンの売り上げから10億円のファンドを設立する。5億円をユニセフへ寄付し、残りの5億円の活用案を、募集している。子どもたちへ夢と希望を提供することを趣旨に企画案は集められている。

職業訓練所を建設する企画を考案した学生チームの松村一希代表(慶應義塾大学医学部3年)は、実際にミャンマーを訪れた際に、都市部では民主化が進むが、農村部では進展は見られないと感じた。

農村で暮らす子どもたちは、職に就けずに人身売買の標的にされることが少なくないという。そこで、子どもたちが働く技術を無償で学ぶことができる職業訓練所を建設する企画を考案した。

NPOジャパンハートは、小児科医の吉岡秀人氏が2004年に設立した。ミャンマーやカンボジア、日本の被災地などで医療活動を行なってきた。ミャンマーでは、NPO発足以前の1995年から16年に渡って無償の医療活動を続け、現在では社会福祉事業も手掛けている。

松村さんがジャパンハート学生チームに関わるようになったのは、2011年11月から。もともと社会貢献思考はなかったが、活動に関わるうちに、「学生でも一人の命を救うことができる」と実感したという。「この分野(社会貢献)で自分の価値を試してみたい」と意気込む。

クロスフォースマイルは、12月31日まで一般案を公募し、そこからノバク・ジョコビッチ選手やムハマド・ユヌス氏、ファーストリテイリングの柳井正代表らによって審査される。(オルタナS副編集長=池田真隆)


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