2012年に実施した有識者インタビュー「直撃S」を一挙公開します。

◆2012年1月

「壊すのではなく、壊れた社会のシステムを直す」——Shing02(ヒップホップ・アーティスト)



福島第一原子力発電所の事故以前から、原子力については高い見識を持ちあわせ反原発運動に参加してきたShing02(シンゴツー)氏。これまで、自身のホームページで発表してきた原子力に関するレポート「僕と核」や様々な楽曲を通じて原子力問題に警鐘を鳴らしてきた。2011年には、革命後のエジプト、ニューヨークのオキュパイ・ムーブメントの現場にも足を運んだ。歴史的な激動の年となった2011年だが、世界を揺るがした2つの震源地を訪れ、今、何を思うのかを聞いた。

◆2012年2月

「私たちは完全に見放された」仮設住宅から聞こえる悲痛の声 フリーアナウンサー末吉里花



TBS系列「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンターやオーガニックライフスタイリストの資格を生かして様々なイベントの司会を務めるフリーアナウンサー末吉里花さん。今年2月の取材で「完全に見放された」という被災者の声を聞き、被災地の現状を訴える。

◆2012年3月

「若者たちよ、レールからはみ出よ」侍ハードラー 為末大



東日本大震災がきっかけとなり、多くの人が改めて自分自身の役割を見直した。大学を休学してボランティアに専念する学生や、卒業後に被災地へ移住する学生も現れた。陸上選手としての人生を歩んできた為末大選手に、自分で決めた道を生きるとは何かを聞いた。

◆2012年4月

「アカペラを通して、支援『する側』『される側』の壁を取りたい」——ゴスペラーズ・北川陽一



5人組ヴォーカル・グループ「ゴスペラーズ」のメンバー北山陽一さん(38)。「環境goo」で連載するなど環境に対して意識が高く、音楽を通しての被災地支援も積極的に行う。北山さんは、「アカペラで一緒に歌うと、支援する側、される側の壁を取り払うことができる。ストレスや不安を抱える子どもたちの心もほぐれてくる」と語る。

◆2012年5月

ただ前へ——THE BLUE HERB(ヒップホップ・アーティスト)



デビュー以来、大手レコード会社に属さず、北海道を拠点に活動を続けるTHA BLUE HERB(ザ・ブルーハーブ)。北の大地から強靭な言葉と音を放つことで、東京を中心に動く日本のヒップホップ・シーンを北から動かしている。活動休止状態にあった昨年を経て、前のアルバム発表からの5年間の集大成として先日5月9日にアルバム「TOTAL」を発表した。ここに至るまでの思いをMCのILL-BOSSTINO氏(以下、B)とトラックメーカーのO.N.O氏(以下、O)に聞いた。

◆2012年6月

エシカルを着てパーティーに出かけよう エシカルファッションブランドINHEELS



アイテム一つひとつにストーリーがあり、セクシーでエシカルを実現したファッションブランド「INHEELS(インヒールズ)」。若年層の女性をメインターゲットにしているため、値段も安価に抑えている。商品に込めたストーリーの真意とは何か、創業者の二人に伺った。

◆2012年7月

優しくしていたいなら、強くならないと Kダブシャイン



児童虐待やシングルマザー問題などをテーマに社会派なメッセージをラップとして発信するKダブシャイン(ケーダブシャイン)氏。311をきっかけに脱原発活動にも参加するようになる。自分の意見を自主規制することなく伝え続け「世の中に一石を投じたい」と話すKダブシャイン氏に、今の時代をどう感じているのか聞いた。

◆2012年8月

自由に生きることの辛さと楽しさ 本田直之



大学生を初め若者の進路に変化が起き始めている。卒業後に一般企業に就職ではなく、世界一周、NPOへ就職、起業という様々な進路を選択する若者が増えている。日本とハワイを行き来しながら暮らし、独自のライフスタイルを送る本田氏から、オリジナルな人生を選択する若者たちへのメッセージを聞いた。

◆2012年9月

なぜ若者は政治に関心を持たなくなったのか 田原総一朗(1/2)



ソーシャルメディアを利用して自己実現を成し遂げようと積極的に動く若者が増加している。しかし、政治に関して無関心な若者は相変わらず多い。今後、社会を担っていく若者たちがなぜ政治に関心を持たなくなったのか、ジャーナリストの田原総一朗さんは、「自立したため」と分析する。

◆2012年10月

なぜ若者は社会貢献意識を持つのか——社会学者 古市憲寿



社会貢献意識を持った若者が増加している。東日本大震災以降、その傾向は顕著に表れている。『絶望の国の幸福な若者たち』の著者で社会学者である古市憲寿氏(27)は、その要因としてリアリティが欠けて、自分探しをしていることと見る。社会貢献を通じた自分探しをする若者たちを古市氏はどう分析しているのか伺った。

◆2012年11月

岡田武史 「若い人は本質に気づく能力を高く持っている」



元サッカー日本代表監督で現在、中国のプロサッカークラブ「杭州緑城足球倶楽部」の監督を務める岡田武史さん。早稲田大学や立教大学でも教鞭を取り、森の生態系など環境学習を専門とする。「これからの時代を創るのは若者たち」という岡田さんからエシカル志向の若者たちへのメッセージを伺った。

◆2012年12月

利用されているのはどっち? 山崎亮が読み解く人と在来作物の関係性



その土地でしか獲れない在来作物を介して人がつながっていく様を描いたドキュメンタリー作品『よみがえりのレシピ』(監督・渡辺智史)。その上映会トークゲストに訪れたコミュニティーデザイナーの山崎亮氏(39)は、在来作物を残そうと人が集まってくる様子に、「弱い存在だからこそ、人が寄り合う」と話す。