——ではどうして被災地の需要と情報に差が出るのでしょうか。
鈴木:そもそも被災地の情報は常に変化していくので時差が発生し、そこに報道がついていかないのです。例えばテレビは取材する側のシナリオに当てはめて被災地を取り上げますし、取材したいものしか扱わないので細かいところまでは伝えきれていないのが実情です。
——被災地に対してはどのように向き合って欲しいですか。
鈴木:まずは被災地に興味を持ってもらいたいです。ボランティア活動だけでなくても関わり方は沢山あります。何よりも震災があったという事実を忘れないで欲しいですね。日常生活のちょっとした時にも気にかけていて欲しいです。
——鈴木さんはどうして活動を続けているのですか。
鈴木:石巻に着いた時、最初に入ったのが雄勝でした。そこで見た何もなくなっている光景が忘れられなかったです。その時にこの状態に対して何かしたくても何もできないという無力感があり、1週間滞在の予定でしたが、それだけではこの状態を変えることはできないと思い、もっと長くいることにしました。
どうして2年間続けられてきたかというと、それは面白いからですね。いろいろな人との出会いがあり、それが面白いです。石巻の街自体も面白いですね。活動を通じて色々な年代の人が同じ事に取り組めることもボランティアの魅力です。
石巻は被災してゼロ以下の状態になり、今ようやくゼロの位置に戻りました。これからなのですね。この活動に関わることで、そのゼロからの石巻を支援するという新しいことに関わることのができます。これまで私は新しいことに挑戦することがなかったのですが、そうではない空気に触れることができとても楽しいですね。