——最近、ボランティアの数が減少していると言われていますが、どのようにすれば変えていくことができるのでしょうか。

鈴木:まず、ボランティア数減少の理由としては2つあります。1つは被災地に対する興味が失われていること。もう1つは被災地からの需要が減少していることです。

1つめについて説明すると、被災地の状況についての情報があまり世の中に広まっていません。情報を正しく伝えて行かないとボランティアの参加までは繋がりません。どういった状況で、どういった形態のボランティアが必要とされているのかの情報が不足しているのです。

そして、まずはボランティアに参加できる環境が必要です。大手企業ではボランティア休暇というものを導入している所もありますが、それはまだ一部ですので普及していくのが望ましいです。あるいは、ボランティアに行くと大学で単位がもらえるなどのやり方も良いかもしれません。

更にボランティアに参加することが「特別」ではないような社会が実現することも重要です。被災地に行くと「偉い」といわれる人が多いようですが、困っている人を助けることが「普通」になるような社会になっていけば良いですね。

2つ目の「需要の減少」についてですが、被災地ではボランティアにできることが減っています。つまり震災発生時のような沢山の人が来れば来るほど良いような状況ではないのです。だからといって呼び掛けをしなくてよいわけではありませんが、求められるボランティアの形態が変わってきているので、私たちはボランティアがどういった形で関われるのかを発信していくのです。

——減少するボランティアが継続的に支援を続けるにはどうすれば良いのでしょうか。

鈴木:ボランティアの方々には地域で個人個人の関係性を作って欲しいです。僕たちピースボートが展開している「イマ、ココ プロジェクト。」は実際に漁師さんと寝食を共にして作業をお手伝いするやり方なのですが、そうすることで顔が見える相手と実際に関わり、同じ立場で問題解決をしていく関係性を築くことを目指しています。一方的に支援をするのではなく、give&takeの関係が成り立っているんのです。

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