――車検へのこだわりは?
矢野:スピードや価格だけではなく、お客さまの安心と納得を重視しています。不具合がある箇所については画像を用いたオリジナルのカルテで説明し、お客さま自身に修理を行うか否かを決定してもらうことで、無用なトラブルを回避しています。この当社ならではの目に見えるサービスは大阪府自動車整備振興会の機関紙でも取り上げられました。
――セミナーを始めたきっかけは?
矢野:事故は人生を決定的に狂わせるからです。営業や運輸業は車があってこそですが、保険会社は事故を頻繁に起こす会社との契約を敬遠します。無事故無違反を継続し、保険料を削減して、社員の雇用維持につなげてもらうことが大事だと考えています。だから、ひとりでも多くの人の人生を守りたいという気持ちでセミナーを始めました。今では年に15回から20回のペースで行っています。
――どんな内容ですか?
矢野:セミナーの最大の目的は受講者の安全運転意識を改革するお手伝いをすることです。過去の事故対応で培ってきた経験をもとに、被害者やその家族の悲しみ、加害者の事故後の悲惨な人生といったリアリティのある話を用いてレクチャーします。
あえて保険会社が言えないような、お客さまのプライベートに関わる内容まで踏み込むこともあります。たとえば『みなさんに失礼なことを言います』と前置きしてから『事故を起こして平然と会社にいれる?』『あなたのせいで会社が保険契約できなかったらどうするの?』『子どもがいるんじゃないの?』といった言葉を意識的に投げ掛け、交通事故が決して他人事ではないことを受講者に理解してもらいます。