日本の教育では、教科の単元ごとに「何を、どういう順序で、何時間かけて、どういう風に伝えるのか」ということを事前に熟考した授業計画を基に、体系立った授業が行われている。コロンビアにも授業の年間計画はあるものの、各生徒に教科書がない、文房具が揃わない、時間数が圧倒的に不足している、先生たちの知識不足等の理由で、事前に立てた計画が思うように進まないことが多い。そうした余裕のない中で授業が行われているため、子どもたちの理解度を逐一確認したり、時間配分を考えて授業をしたりということがなされにくい状況だという。

また、コロンビアには他の先生の授業を見るという習慣がなく、先生たちの授業はそれぞれの我流で行われている。誰がどのような授業をしているのかは全くのブラックボックスとなっており、先生たちの知識や経験の交流は図られず、閉鎖性を増していく。

「授業計画や公開授業など、日本式の教育方法をコロンビアに定着させることが、私の使命です。少しずつ変化は感じていますが、教育という性質上、結果はすぐには見えにくいもの。自分たちの技術や想いが先生たちへと伝わり、子どもが未来を切り開いていける力に繋がる。そこが最終目標だと思っています」(藤岡さん)

授業計画を練る藤岡さんと先生

■それは最良の手段なのか

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