何のために働くのか、現代人の多くが抱く「問い」にヒントを提示する書籍が出版された。1970年代からバングラデシュやネパールで国際協力を続けるNPOシャプラニールのスタッフの証言から、働く魅力を解き明かす。社会的課題の解決を目指すNPOで働くことに興味を持つ若者にはオススメの一冊だ。(オルタナS副編集長=池田真隆)
書籍タイトルは、『シャプラニール流 人生を変える働き方』(エスプレ)で、著者は、タレント藤岡みなみとNPO法人2025PROJECTだ。今年1月、藤岡みなみと2025PROJECTの福井崇人代表がシャプラニールの筒井哲朗事務局長に案内され、2週間をかけてバングラデシュやネパールを取材した。
バングラデシュで働くシャプラニールのスタッフへのインタビューや同国の貧困に触れ、藤岡みなみらが感じた思いを綴る。注目のコンテンツは、世界最貧国で課題解決のために働く人の「働きがい」をもとに作成した「人生を変える働き方のヒント15か条」。「プロがいないこと」「環境を楽しく変えること」「ゆるい」など、15か条が記されている。
バングラデシュやネパールを取材し、藤岡みなみは、「世界を変えるのは、『助けてやろう』という気持ちではなく、個人の個人的な想いかもしれない」と気付いた。「国際協力という言葉にしてしまうとイメージしづらいが、現場には、涙もろくて人間臭いドラマが繰り広げられていた。バングラデシュに惹かれた個人の気持ちで動いている」。