私は、生まれつき骨が弱く、車いすに乗って生活してきました。生まれてからずっと、歩けないことを、車いすで生活している自分を否定してきました。それでも、そんな私の価値感を変えてくれることがありました。

大学1回生の頃、私はホームページ制作の営業をしていました。1日100件も飛び込み営業をすることはできませんでしたが、それでも営業成績は他の社員より高い水準でした。

右も左も分からない、まだ19歳の私がなぜ結果を残せたのか。それは、車いすであるが故に、お客さんに覚えてもらえたからです。「また車いすのあいつがきた」「また垣内が来た」と次第に多くのクライアントから覚えてもらい、ひいては仕事をもらいました。

当時の上司は私に言いました。「もう歩けないことを下向きに考えるな。お客さんに覚えてもらえることは、営業マンにとってこの上ない価値であり、強みだ。胸を張れ」と。

この言葉をきっかけに、私は起業という夢に向かって、一歩踏み出しました。そして、今、この言葉は、「バリアバリュー(障害を価値へ)」と、私の会社の企業理念にもなっています。

私は、今でも自転車に乗りたいと思うことがあります。やっぱり、歩きたいという思いは変わりません。「歩けなくていい」とか、「車いすだから幸せ」とか、私はこれからも言えません。

それでも、「歩けない人生に誇りを持てるように生きていく」、そんな確固たる思いを胸に、私はこれからも人生という道を歩んでいきます。(寄稿・ミライロ代表取締役 垣内俊哉)

ミライロの垣内代表

垣内俊哉:
1989年、岐阜県生まれ。生まれつき「骨形成不全症」という骨が脆く折れやすいという魔法にかけられ、車椅子での生活を送っている。2008年、立命館大学経営学部に入学。2010年6月、バリアフリー(障害を取り除く)だけではなく、バリアバリュー(障害を価値にする)というビジョンを掲げ、株式会社ミライロを設立。ユニバーサルデザインに関するコンサルティングを主な事業とし、教育機関や商業施設の施設改修や、ホテルや結婚式場の接客指導を手がけている。2011年に近畿地区人間力大賞を受賞。2013年1月には日本武道館で開催された「みんなの夢AWARD3」にて、8000人の観客の前でプレゼンを行い大賞に輝いた。

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