アイデアが煮詰まったとき、複数人でオフィスをシェアするコワーキングスペースが状況を打開するかもしれない。国内に100以上あるといわれる協働空間からは何が生まれるのか。オフィス環境から今後の働き方を考えた。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

多種多様な業種の人とコミュニケーションがとれるコワーキングスペース

渋谷ヒカリエの8階に構えるCreative Lounge MOV(モヴ)では、毎日パソコン一台で仕事ができるフリーランサーを中心に集まってくる。フリーライターやウェブデザイナーなど職種は多様だ。世代は30代後半が中心で、中には企業の一部署で借りているケースもあれば、日本進出を考えた海外企業の一時オフィスとして利用することもある。

モブが立ち上がったのは2012年4月。運営するのはオフィス家具メーカーのコクヨファニチャー(大阪府・大阪市)だ。同社には働き方を研究する機関があり、、世界のクリエイティブなオフィス環境を取材した雑誌「WORK SIGHT(ワークサイト)」を発行している。MOVの空間を考える際も、これまでの研究データを生かした空間づくりをしている。

モブの利用者限定の交流パーティーなども2カ月に1回ほど開催し、利用者間での協業も生まれている。MOVの立ち上げからかかわる田中美希子氏は、「これからテクノロジーの進歩で単純作業がなくなっていく時代になる。クリエイティビティを磨くために、さまざまな業種の人と交流することが求められる」と話す。コミュニケーションが取りやすいコワーキングで、アイデアを膨らましてはどうだろうか。

Creative Lounge MOV