新型コロナウイルスの影響で経営難に立たされた経営者らをペンのチカラで支援する取り組みが話題だ。困窮している経営者に起業したきっかけやこれまでの苦難などを取材し、ブログに掲載して支援を募っている。民法キー局のニュース番組でも相次いで紹介され、「ノンフィクションの物語に心を動かされた」という読者が増えている。(オルタナS編集長=池田 真隆)
この取り組みの名称は、「ペン。プロジェクト~新型コロナウィルスに負けない100の物語~」。立ち上げたのは、関西で地域振興を行うNPO法人みらくるの理事長・吉村大作さん。大阪市鶴見区の地域新聞の編集長も務めている。
吉村さんは、東日本大震災の支援活動として、被災者の願い事を100個叶えるというプロジェクトを行った。日本でクラウドファウンディングサイトが立ち上がる前に、自身のブログなどで資金提供を呼びかけ、700万円を集めた実績がある。その資金で100個の願い事を全て叶えた。
この経験を生かして、今回の「ペン。プロジェクト」を考えた。吉村さんは、「ペンは剣よりも強しと言いますが、ペンには人を動かす力があると実感しています」と話す。
今回はブログで掲載されている記事のなかから、奈良で写真館を経営する鈴木健嗣(たけし)さん(44歳)の物語を転載する。
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「最も大切なものは家族です」。
「家族とは妻、子どもたち、親だけではありません」。
「従業員も、またその家族も、私の家族です」。
「コロナに負けるわけにはいかへん」。
今回のお話の主人公は奈良で写真館を経営する鈴木健嗣(たけし)さん(44歳)です。
今から始まるお話はノンフィクションです。
1人の写真館経営者が必死に生きようとするお話です。
ただ、このお話には通常のノンフィクションと1つだけ異なる点があります。
このお話の結末は、皆様のアクションによって変化するのです。
皆様のアクションがこのお話の結末を作ります。
どうぞ、最後までお読み下さいませ。
鈴木さんは奈良県で写真館を営んでおります。
創業は1915年。
100年を超える老舗写真館です。
鈴木さんで4代目になります。
地域の方々の節目にあたる記念写真をスタジオで撮り続けています。
また、一生の思い出に残る卒業アルバムの作成も行っています。
「どんな人でも、人生の思い出を振り返る時があります」。
「その振り返る時に必要なものが写真です」。
「写真に携われることに誇り、喜び、責任を感じています」。
鈴木さんはそう語ります。
現在の仕事にやりがいと情熱を持っています。
先代である鈴木さんの父は、高度成長期、商売繁盛にバブルを過ごしてきました。
非常に派手な生活を送ってきたと言います。
バブル時は借りなくてもいいのにお金を借りて贅沢をしていました。
しかし、そんな中、バブル崩壊が始まったのと同時に、少子化も始まりました。
ダブルショックが鈴木さんの父を襲いました。
職人気質の人で経営者の視点はありませんでした。
鈴木さんの父が作った借入が1億円にもなり、貸し剥がしや貸し渋りなどでかなり厳しい中、今から10年ほど前に鈴木さんが跡を継ぐこととなりました。
父からは再建を託された鈴木さんは思いました。
「借りたものは返していく」。
周囲からは、「自分の借金ではないのだから、父が責任を取るべき」と言われていました。
しかし、「借りたものは返す!」と全ての借り入れを父から引継ぎ、自らの経てた計画通り、着実に借金を減らしてきていました。
「奈良県大和郡山市は自分の街だ。逃げも隠れもできない。借金も踏み倒せない。だから、継いだ」と鈴木さんは当時を振り返ります。
そんな中、5年前、従業員に仕事を持ち逃げされてしまいます。
自分の営業先に「鈴木さんの会社を退職した。私が新しい担当になった」と言って、鈴木さんの職場に在籍しながら個人事業主として営業先を開拓していったのです。
5000万円あった売り上げは3700万円まで下がりました。
役員、従業員合わせて7名の小規模写真館に1000万円以上のマイナスは明らかに赤字でした。
地元では知らない人は誰もいない老舗写真館は廃業の危機を迎えました。
しかも、鈴木さんには、父の作った借金の返済が毎月100万円以上ありました。
鈴木さんはとにかく金融機関に頭を下げ、条件変更をしてもらい、利息だけ払う形にしてもらいました。
「家族のいる従業員たちを路頭に迷わしたくない」。
「市民の想い出を作ってきた場所を失ってはいけない」。
「潰したくない」。
経営に関して無知でしたが、毎日必死で頑張りました。
経営学も学びました。
財務も学びました。
営業も必死で歩き回りました。
「できることは全てやり尽した」。
こうして、鈴木さんは廃業を免れました。
昨年1年間の売上は4600万円まで回復しました。
これは鈴木さんだけの力ではありません。
従業員全員が、会社の厳しい状況を分かってながら、当時の売り上げへ戻す直前までと奮起してくれたのです。
危機から5年が経った今年の5月から利息だけではなく、元金の返済を再開できるところまで売り上げを回復する事ができました。
しかし、ここで、新型コロナウィルスが発生しました。
今年2月の時点で売上の大半を占める学校関係の卒業式から入学式、遠足、野外活動に修学旅行。
そのすべてが中止となりました。
また、ピアノの発表会などの一般の撮影さえも中止になってしまいました。
2月~7月末までに確定しているもので、売上1200万のマイナスとなりました。
明るい未来が一瞬にして、再びどん底に陥りました。
すぐに政府が発表した新型コロナウィルスの影響を受けた企業への貸付にを受けようと動きました。
入金予定のもの、給与などの支払い、何度も悩んで計算した金額は700万円。
どうしても、この危機を乗り越えるのに必要な額です。
しかし結果はあっさりとしたものでした。
今までの借入額の大きさや、条件変更を行った事で、「新たな借り入れは無理」との回答が。
再度、融資の相談の受けようとすると、アポイントは取れたものの「無駄足になることはありえますよ」と明るい返事はもらえていません。
その他、助成金などの行政のセーフティネットの申請は次々と行ってはいますが、「この先本当に助成金がおりるのか」。
鈴木さんの不安は止まりません。
そして、今後、いつまで売り上げが無い状態が続くのか。。。
従業員への給与の未払いも1.5ヶ月にもなってしまいました…。
今年2、3月がまともに払えていません。
もちろん、鈴木さん自身も給料はもらえていません。
従業員にも家族があり、鈴木さんは「従業員の家族も自分の家族です」と言います。
鈴木さんは本人、奥様、小学生から中学生までの子ども3人、父親の合計6人家族です。
従業員やその家族を入れると数十人の生活を背負っています。
鈴木さんは「どうかこの苦境を乗り越えたい、わらにもすがりたいです」と語ります。
鈴木さんの写真館は「トキワ スタジオ」という名前で、「トキワ」という言葉が入ります。
創業者が「トキワ」に込めた想いがあります。
「トキワ」には、木の葉が1年中生い茂るという意味があります。
「冬も木の葉を枯らすことなく、商売を継続させたい」。
こうした創業者の想いが根底にあり、100年以上続く写真館となったのです。
この想いを鈴木さんも引き継いでいます。
鈴木さんは「この4月から取引先の学校数が増えたことで、まだ状況は分からないが、7月末までを乗り切れば先は明るい」。
「だからこそ、今が本当の勝負です」と言います。
「100年超えている家業で、地元の誰もが知っている」。
「大和郡山の歴史を写真で刻んできた会社として、ここで止まるわけにはいきません」。
「コロナで消えてしまうのが耐え難い。ここを踏ん張りたいんです」。
ここから先のお話は、このブログをお読みの皆様と作り上げる形となります。
鈴木さんへの支援を下記させて頂きます。
皆様にこの物語の一員となって頂ければ幸いです。
~~~~~~~~~鈴木さんが皆様にできること~~~~~~~~~
今、鈴木さんには皆様の支援が必要です。
鈴木さんはパソコンソフトを使って、特殊な写真加工を施すことができます。
今回は支援を頂くにあたり、下記2つのサービスを提供させて頂きます。
【皆様にできること①】
新型コロナウィルスによって記念撮影ができなかった方々に以下のような写真のデータや現物をお届けします(※額縁除く)。
・家族揃っての入学式や結婚式の写真などのデータを作成します。写真現物やデータをお預かりします。
(希望する背景や同席していない人間を組み合わせる加工も可能です。)
どうしても晴れ姿を見せたい相手がいる、どうしても一緒に写真を撮りたかった相手がいる。
新型コロナウィルスによって諦めていた写真を皆様のお手元までお届けします。
もちろん、写真素材(データ又は現物)が揃えば、家族や友人問わず、卒業式や入社式など大人数が揃ったような写真に加工することも可能です。
※写真素材次第で完成精度が異なりますので、一度ご要望をご相談下さい。
※写真素材の著作権はお客様で保有しているものでお願いいたします。
料金の目安は¥3000~¥30000程度です。(30人以上の加工は料金応相談)
※プリント代別途要。データ渡しのみも可能で、その場合はプリント代不要。
【皆様にできること②】
・遺影写真(現物)などが古くなって傷んでいる場合の修復など
遺影写真のサイズを小さくすることも可能です。
夫婦別々の遺影写真を組み合わせて、夫婦となり合わせの写真に加工できます。
現物の写真を郵送ください。
料金の目安は¥3000~¥10000程度です。
※プリント代別途要。データ渡しのみも可能で、その場合はプリント代不要。
これら2つのサービスを希望される場合は電話0743-52-2530(平日10~17時 木曜定休日)又はinfo@tokiwa-studio.jpまでお問い合わせ願います。
上記以外の方法でも支援を検討されていらっしゃる方はpen.project2020@gmail.comまで【支援実行№3】と件名に書いて、連絡先を記入の上ご連絡願います。
*「ペン。プロジェクト」では、取材依頼や取材するライター、弁護士、司法書士、税理士、社会保険労務士ソーシャルワーカーなどの協力者も募集しています。
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