夢の実現性を競い合うコンテストみんなの夢アワード5(主催:公益財団法人みんなの夢をかなえる会)が2月23日開催する。予選を勝ち抜いた7人のファイナリストは日本武道館で自らの夢についてプレゼンする。本番まで残り1カ月を切ったなか、オルタナSではファイナリストたちへインタビューを実施。「なぜその事業を行うのか」という共通の質問を問いかけた。今回は、途上国の子どもたちに映画を届ける活動を行う教来石小織さんを紹介する。

「途上国に映画館をつくりたい」――これは教来石小織さんの夢だ。大学生のときの夢を10年越しに叶えるため、動き出している。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

カンボジアに映画を届ける教来石さん(写真真ん中)

カンボジアに映画を届ける教来石さん(写真真ん中)

教来石さんは子どもの頃から映画が好きで、映画から夢をもらってきた。映画の力を途上国の子どもにも伝えたいと、「カンボジアに映画館をつくろう!」というNPOを立ち上げた。

つくる映画館は、大きな箱物の「映画館」ではない。映画館一つ建てただけでは、観に来られる子どもは限られるからだ。だからカンボジア農村部にある村の広場や学校に、プロジェクターやスクリーンを持ち込んで即席の映画館をつくりだす。

カンボジア農村部に映画館はない。初めて映画を観る子どもたちのまなざしには心を打たれたと教来石さんは言う。これまで延べ11カ所の村での映画上映を実施してきた。

活動のきっかけは10年前。途上国の村を訪れた教来石さんは、子どもたちに「夢は何ですか?」と問いかけた。だが返事が返ってこなかった。やっと返ってきたのは「先生」だけだった。

教来石さんは、この要因を、「電気もテレビもない村では、夢は身近な大人の姿からしか描けない。だから選択肢が限られていたのでは」と考える。そのときに、いつか途上国に映画館をつくりたいと思ったそうだ。

一時は夢を忘れ、動きだすまでに10年かかった。何もかも手探りからのスタートだった。上映権を取ったりクメール語に吹き替えるのは苦労した。今は自分たち以外にも映画を届ける「映画配達人」を数多く生み出したいのだと語る。

映画を届けることは夢の種まき。苦節の時期に支えてくれた仲間のためにも、夢を追う者の一人として、全力で想いを伝えたいと、武道館へ力を込めた。

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