避妊具
また、「女性の地位向上」というのは、結果的に「男性の地位の低下」と捉えられてしまいかねず、プロジェクトに対する反対が出てくるかもしれない。そこで、男隊員である僕が住民の人たちと信頼関係を構築していく中で、プロジェクトに対して「男性に不利益があるものではない」と理解してもらったり、あるいは外部者として地域にまたがったネットワークを構築していく手伝いをすることが期待される。
以上が「大枠として」僕がやっていくことである。長々と説明で「難しくて複雑そうなことをするね」と思われるだろうが、プロジェクトは「隊員自身の活動を縛るもの」ではなく、「隊員が利用できるもの」という位置づけで構わない。要は、住民の人たちの懐に入って、実際に自分の目で見て、聞いて、感じたものに従いながら、「今ここにあるものを使って、もっとよくできるものは何か」ということを一緒に考えていくことなのだ。そのためには、何よりも人間関係を作っていくことが何よりの仕事となる。そして、その仕事はきっと、協力隊員共通の仕事ではないかと思う。協力隊員って、そんなことをしている。
（シリア通信2008年5月号より）
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