海外旅行に行った時、ガイドブックに載らない地元っこだけが知るレストランに行ってみたいと思った事はないだろうか。そんな地元人に人気のマニアックな現地食や遊びスポット、現地の人の暮らしや交流の仕方を面白く紹介しているWEBマガジン「べとまる」が話題だ。

「べとまる」発信者のネルソンさん


発信者の水嶋健(通称:ネルソン)さんは東京で5年間SEをしていた。仕事は多忙を極め、自分の人生が舵取り出来なくなってしまっていると感じ、脱サラし世界旅行へ。たまたま立ち寄ったベトナムで、面白い事をやりたいと日本から飛び出した多くの事業家に出会い、自身もベトナムを拠点に活動する事を決めた。

水嶋さんは「ベトナムのイメージって『フォー』『アオザイ』『ベトナム戦争』というものばかりで、他の多くの国にも言えることかも知れないけど、いつまでもステレオタイプ。誰もが情報発信出来る時代なのに、イメージが更新されないのはとてもつまらない」と話す。

カフェでのサッカー観戦。どちらのチームが点を入れてもテンションが上がるベトナム人


サイトでは、「ベトナムでバイクを取り戻す方法」や「ベトナムでオシャレ服を買う方法」など日本人には理解しがたい、ベトナムで日々起こる「日常」をユーモアたっぷりにレポートしている。

近年、海外旅行者のニーズも団体主義から個人主義に変化している。航空券とホテルだけ事前予約し、行動は終日自由なフリープランの需要が高い。旅行情報誌エイビーロードの海外旅行調査2012年の中で、2011年に行った海外旅行の形態をフリーパッケージプランもしくは個人手配と答えた人は65%に上った。

水嶋さんは現在、貯金を切り崩し、無収入で情報発信活動をしている。おもしろツアーの企画や事業化できそうなネタを協力者と共にマネタイズ(収益)に繋げるのが目下の目標だ。

しかし悲壮感は無いという。

「ベトナムに居る日本人は型破りな人が多くて単純に楽しいし、未開拓の範囲が多いからパイオニアになれるチャンスも多い。何より、物価が安くて東京に居た時とは比べ物にならないくらい生活費がかからないのが、良いですね」

クチトンネルのツアーをレポート


ユーザーに興味を持ってもらうアクションを惜しまず、自ら仕事を生み出す姿勢に注目したい。(オルタナSベトナム支局特派員=中川真弓)

■べとまるhttp://www.vietmaru.com/