アフリカで7月、東アフリカ最大規模のビジネスコンテストが開かれる。メインスポンサーをDMM.comが務め、審査員に米倉誠一郎・一橋大学教授や堀江貴文氏らが揃う。このコンテストを主催しているのは、Trickster社。同社は、日本の20代の若者がタンザニアで立ち上げた広告代理店だ。一体どのようなコンテストなのか。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

今年はアフリカ開発会議(TICAD Ⅵ)がケニアで開催されるため、注目が集まる

DMM.Africa Presents: Africa Business Idea Cup。今年はアフリカ開発会議(TICAD Ⅵ)がケニアで開催されるため、さらに注目が集まる

そのコンテストは、「DMM.Africa Presents: Africa Business Idea Cup」。タンザニア、ケニア、ルワンダ、ザンビア、ジンバブエの5カ国が対象の、東アフリカ最大級のビジネスアイデアコンテストだという。4月まで、オンラインでアイデアを募集して、7月16日に最終審査を行う。

このコンテストの目的は、アフリカの現地の声をひろい、日本企業のアフリカ進出につなげることだ。スポンサーには、DMM.comをはじめ、日清食品の現地法人も就いている。

2015年7月の統計によると全世界人口の13.1%はサブサハラ以南が占めており、2050年には21.8%まで増加すると予測されている。こうしたことから、人口減少が著しい日本と比べ、今後のビジネス展開の重要地とされている。

このコンテストを開く、Trickster社を立ち上げたのは、園部篤史さん(24)。園部さんは1991年生まれ。大学在学中にバックパッカーとして、アフリカを訪れ、この土地で暮らす人々の人柄に惚れ、アフリカで働きたいと思うようになった。アフリカで、運送業や経営コンサルなど50以上の企業を経営する金城拓真氏の著書『世界へはみ出す』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を読み、金城氏に連絡し、インターンを申し込んだ。

そして、タンザニアでインターンをすることになり、3週間後に、同社を立ち上げた。園部さんが22歳のときだった。園部さんは、日本企業がアフリカ進出に二の足を踏んでいる要因を2つ指摘する。

一つは、アフリカ特有の商習慣に合わないこと、もう一つは、高品質がゆえに薄利多売の市場での競争力がないこと。この問題を解決すべく、現地のリアルなニーズを理解し、優秀な人材を掘り起こし、現地の意見を先行したビジネスを展開していくことが重要だと考え、このコンテストを企画した。アフリカで、起業を渇望する現地の若者を見つけ、日本の技術やノウハウを掛け合わせることで、二人三脚で市場を開拓していくことを目的としている。

園部さんは、「アフリカでのビジネスは、現地の協力なしには成り立たないという思いが大前提となっている」と言う。「援助でも単なる投資でもなく、現地に根差したビジネスを通して、機会に恵まれず埋もれている若者たちが自国を成長させていく過程をともに歩めたら、両国、両社にとって本当に良い関係性を築くことになるはず」。

Africa Business Idea Cup

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