夢の実現性を競い合う「みんなの夢アワード」(主催:公益財団法人みんなの夢をかなえる会)。毎年、全国から数百人がエントリーし、審査を勝ち抜いたファイナリストが数千人の観衆と審査員、約50社の協賛企業を前に自らの夢をプレゼンする。

会場からの投票で、「日本一」の夢を決め、最高のプレゼンテーターには100万円の夢支度金や協賛企業から最大限のサポートを得ることができる。優秀なソーシャルビジネスには、最大2000万円の出資交渉権が授与される。

今年は2月20日に7回目の同アワードが舞浜アンフィシアターで開催される。開催を前に、シリーズ「ファイナリストの今」と題して、過去のファイナリストたちの近況を紹介する。取材したのは、みんなの夢アワード5で、「途上国の子どもたちに映画を届ける」とプレゼンし、グランプリを獲得した教来石小織さん。

四つ葉集めの天才少女

取材の日、四葉少女こと生澤愛子さん(以下、四葉ちゃん)と、東京大学の正門前で待ち合わせました。駅からこちらに向かって歩いてくる緑のコートを羽織った四葉ちゃんは、四葉の妖精のようでした。

四葉ちゃんと初めて会ったのは二年前。夢アワード5の三次審査にて。当時は黒髪だったセミロングを、品のいい茶色に染めて、「あの頃より5キロくらい痩せました」と笑う四葉ちゃんはさらに可愛くなって、キラキラと四葉オーラを発していました。四葉オーラにあやかりたい気持ちでいっぱいでした。

取材場所が東京大学だったのは、取材の後に四葉ちゃんが東京大学での打合せを控えているからです。「東大美女図鑑さんとコラボで、受験生向けに四つ葉のクローバーのお守りを作る打合せをするんです」と四葉ちゃん。

確か二年前、「みんなの夢アワード5」ファイナリストの合宿で、四葉ちゃんは言っていました。「受験生に向けて四つ葉のお守りを作りたいなって」と。想いを着実に形にしていっている四葉ちゃんを眩しく感じました。

最近では嵐の番組や「めざましテレビ」など、メディアにも引っ張りだこ。自身を取り巻く環境は変われど「四つ葉のクローバーでたくさんの人を幸せにしたい」という想いはぶれることなく、真っすぐに進み続けている四葉ちゃん。そんな四葉ちゃんに、夢アワードのことや夢を叶えるために必要なことについて聞いてみました。(記事:教来石 小織)

生澤さんは四つ葉が「光って見える」と言う

――夢アワード5の合宿中、四葉ちゃんがバスから降りた瞬間、「四つ葉だ!」と言って四つ葉のクローバーを見つけたのをまだ覚えています。その後2分くらいの間に、5つくらい四つ葉をひょいひょいゲットするのを生で見た時は、魔法を見ているみたいにビックリしました。その特殊能力って、DNA的なものでしょうか?四葉ちゃんのご家族も特殊能力者?

四葉ちゃん(以下、四葉):違います(笑)。父は銀行員で、母は元保育士の専業主婦。三才年下の弟は数学が好きで、六つ下の妹は運動が得意です。みんな特に変わった能力があるわけではありません。

――四葉発見能力は何歳くらいの時からあるんでしょうか?

四葉:3歳くらいからです。物心ついていない時だったので、私自身は覚えていないのですが。母曰く、公園で四つ葉や五つ葉のクローバーをたくさん摘んで握りしめていたみたいです。今でも昔読んでいた絵本を開くと、四つ葉がパラパラとでてきます。

――四葉ちゃんの能力は、医療や科学でも解明できていないとのことですね。私、お手洗いがすごく近いせいか、新しい場所でもなんとなくお手洗いがある場所がわかるんです。四葉ちゃんの四つ葉を見つける能力もそんな感じでしょうか。

四葉:そうですね(笑)。四つ葉がとても好きなので、特別に光って見えるような感覚なんです。

――とても素敵な能力ですが、一時期はそれを隠していたとか。

四葉:人と違う能力は恥ずかしいと思って、小学生の時からずっと周りの人には言いませんでした。でも高校三年生の時に、四角大輔さんの講演会でご本人とお話することができて、勇気を出して四つ葉のことを話してみたら、「素晴らしい才能だから、周りに発信した方がいい」と言っていただけたんです。それから四つ葉のことを友達に話したり、Twitterに投稿したりするようになりました。

――みんなの夢アワード5にエントリーしたきっかけは何だったんでしょう?

四葉:「賢者屋」という学生のためのフリーシェアスペースに通っていたのですが、そこで夢アワード学生事務局の代表の方に声をかけてもらったのがきっかけです。

――賢者屋を創設した佐藤祐君は「みんなの夢アワード4」のファイナリストですよね。四つ葉ちゃんは「みんなの夢アワードfor Youth」で優勝されていましたね。

四葉:そこでたくさんの素敵な仲間ができて、とても刺激を受けました。夢アワードに出られたことで、自分の夢を聞いてもらえる喜びを知ったし、この夢には可能性があるのかもしれないと思えるようになりました。

――夢アワードが終わったあとから、四葉ちゃんは「めざましテレビ」や「嵐ツボ」など有名なテレビ番組にひっぱりだこで、遠い存在になってしまいました。

四葉:そんなことないですよ(笑)。

――メディア露出が増えた以外にも、変化はありましたか?

四葉:協賛企業の方とコラボで、お客様にプレゼントする四つ葉のしおりを作っていただいたりしました。気持ちの中で一番大きかったのは、自分の人生を賭けるのは四つ葉しかないなと思えたことです。

――なるほど。

四葉:それでもしばらくは、四つ葉だけで生きていくことに自信がなくて、企業のインターンをしたりして道を模索していました。就職するなら人材系がいいなと思っていました。意思決定や就職など、人の心が動く瞬間というのに興味があったので。

――その後、四つ葉一本でやっていける自信を持てたのはなぜでしょう?

四葉:将来を思い悩んで、三カ月くらい胃が痛かった時期もあります。でもこれでやっていくんだと腑に落ちたのは、やはり人との出会いが大きいですね。ちょっとずつお仕事をもらえるようになってきたり、経営のプロの方のアドバイスや、「大丈夫」と言っていただけたのも支えになっています。今はとても自分らしく生きられている気がします。

――四葉ちゃんの「自分らしく」ってどんな感じでしょうか?

四葉:好きなことができること、人を喜ばせることができること、毎日楽しくワクワクしながら生きられることです。

――今年の6月に、四葉ちゃんらしさ全開の、世界初の四つ葉の個展を開かれてましたね。

四葉:個展を開催するにあたって、クラウドファンディングで資金を募りました。多くの方が応援してくださったおかげで実現に至りました。告知のラジオを聞いた方から「小学生の娘が応援したいと言っているので支援します!」とメッセージをいただいた時はとても嬉しかったです。

個展では、四葉の作品の他に、『12歳の夏に神様から言われたこと』という絵本を作りました。自分の体験をもとに描いたのですが、それを読んで涙を流している方がいて、とても感動しました。これからも、誰かを幸せにしたり、人の心をプラスにできることに四つ葉を使っていきたいです。

――最後に、四葉ちゃんが思う、夢を叶えるのに必要なことってなんでしょうか?

四葉:周りの人に自分の夢を発信することだと思います。周りから言われたのではなく、自分で決めた、何があっても絶対やるぞという夢。あとはそれを真っすぐにやっていく。周りの方に助けていただいた時は、ちゃんと感謝の気持ちを伝えたりとか、小さなことも大事にすることが、夢を叶えることにつながるんじゃないかなと思います。

――四葉ちゃんはまだ若いのに、とても礼儀正しい子だなと思っていました。御礼の言葉を伝えたりすることも、四葉ちゃんの夢の実現につながってきたのだなと思います。今日はどうもありがとうございました!

生澤愛子 (いきざわ・あいこ)さん:
1996年1月14日生まれ。東京都豊島区生まれ、大阪 東京 神奈川育ち。3歳から四葉のクローバー探しを始め、生まれつきの才能で1時間に最高305本(最高記録)の四葉を見つけられる。今まで見つけた四葉は7万本を超える。「みんなの夢AWARD5」ファイナリスト。 嵐のバラエティー特番『嵐ツボ』、めざましテレビ他、多数のメディアに出演。2016年6月、クラウドファンディングを成功させて世界初の四葉展を開催。イベント運営や商品のプロデュース、スイーツのケータリング等、四つ葉のクローバーを軸に幅広く事業を展開中。

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