日本一の夢の祭典「みんなの夢AWARD7」が2月20日、舞浜アンフィシアターで開かれた。ファイナリスト7人が2000人の観衆と審査員、協賛企業を前にプレゼンテーションを行った。その結果、管理栄養士の麻植(おえ)有希子さんがグランプリとソーシャルビジネス賞をダブル受賞した。ノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス博士も講演した。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

グランプリの喜びを話す麻植さん

「筋肉が100グラム増えれば、介護費は25万円削減できる。高齢者の健康のためにも、若者の負担を減らすためにも、『PPK(ピンピンコロリ)食』を広めたい」

ステージで熱く語ったのは、管理栄養士で栄養ケアステーション代表の麻植有希子さんだ。健康的な生活を送れる健康寿命を延ばすため、「PPK食」を提案する。PPK食とは、抗酸化力の高い有機野菜や、筋力の低下を防ぐたんぱく質、ビタミンDなどを含んだ栄養バランスの良い食事のことだ。

麻植さんは5年で健康寿命を5歳延ばすことを目指す。「食べ物は太るものではなく、食べ方の問題。生活習慣病予防や筋力低下予防につながる食の開発や食べ方の啓発をしていきたい」と話した。

麻植さんには、100万円の夢支度金のほか、最大2000万円の出資交渉権が授与される。

■発達障がい児にも楽しいヘアカットを

「すべての子どもが笑顔でヘアカットできる社会」を目指す理容師・赤松隆滋さんは、発達障がい児向けのヘアカット「スマイルヘアカット」を行っている。日本には発達障がい児が約20万人いる。子どもたちの多くは、音に敏感だったり、知らない場所や仕組みに不安を覚え落ち着いて座れなかったりして、理・美容室でヘアカットを受けることが難しいという。

赤松さんは、子どもたちを喜ばせているヒーローの姿でプレゼンをした

そこで、赤松さんは子どもたちの不安感を取り除き、ヘアカットを楽しめる環境づくりに取り組む。発達障がいを持つある男児の母親はいつも、子どもの髪をカットしていたという。赤松さんが進め方を事前に説明することで、子どもも落ち着き、髪を切った後は「気持ちいい」と喜んだ。

赤松さんは現在1600人以上を担当している。「本来であれば、家の近くでヘアカットできる方が良い。このノウハウを全国に広げていきたい。彼らは「『困った子ども』ではなく、『困っている子ども』。大人が困ってどうするのか」と訴える。スマイルカットの導入店舗は30店に上るという。

■「仕事は探すものではなく、つくるもの」

「みんなの夢AWARD7」では、2006年にノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス博士が講演。ユヌス博士は「私はいつも普通とは、逆のことをする。ビジネスは利益を出すものだが、私はお金を生まないビジネスをつくった。それがグラミン銀行。お金を生まないビジネスで何が生まれるのか。それは、課題の解決だ」と話す。

「寄付は良いアイデアだが、お金は戻ってこない。だが、ソーシャルビジネスは、多様で無限の可能性を持つ。人は仕事を探すためではなく、仕事をつくるために生まれてきた。私たちがどんな世界をつくりたいか決めさえすれば、世界はそうなる。『CO2排出量ゼロ』『貧困ゼロ』『失業ゼロ』の世界を目指しましょう」と訴えた。

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