9月29日に発売される次号でちょうど「創刊50号」になります。前々号(3月末発売)は創刊10周年記念号で、いろんな節目が足早にやって来る感じです。ここまで無事にやって来られたのも読者や社内外の筆者の皆さま、関係先の皆さまのお陰であり、改めて心から御礼を申し上げます。(オルタナ編集長=森 摂)
いま、巷ではSDGs(持続可能な開発目標)の話題が少しずつ広がっています。先日は「ピコ太郎」さんがキャンペーンに参加したり、吉本興業の芸人さんたちがSDGsのイベントに出たりの話題が続いています。
そんななか、ある企業経営者の方からメールを頂きました。アジアやアフリカで環境保全のために奔走しておられる、真の社会企業家です。その一部を紹介させて頂きます。
「SDGs騒ぎはおめでたいです。大半が税金・寄付などを当てにしての無責任さです。ご自分の懐も痛まず、責任も負わされません。気楽な啓発です。森さんは、こうした無責任な団体、連中とは違うはずです。違ってもらわねば、森さんの存在理由はありません」
「本当に、過酷な生活を強いられている人々の事を想って頂けるはずです。国連や寄付で活動する団体に頼らずとも、我が国の国際協力の関係者が、その気になれば、世界から『置き去りにされる人々』も難民も出さずに済みます」
「SDGsと騒ぐ人に問いたいです。『貴方はどんな自己犠牲を払い、SDGsに臨むのか?』と、皆さんの楽しそうな囃し過ぎは目に余ります。森さんなら、ご理解頂けるでしょう。頑張って下さい。根性を出してください。平和ボケ連中に活を入れてください」(引用終わり)
このメールを読み、喉元に鋭いナイフを突きつけられた思いがしました。まさに、私やオルタナの存在意義が問われていると受け止めました。
50号を出すにあたって、改めて考えました。オルタナの存在意義は、「ビジネスを通じて社会課題を解決する」ことです。企業やNGO/NPOの事例を積極的に報道し、その価値観を社会に広く伝えることです。
そこで、雑誌のサブタイトル(表紙ご参照)も、今号から「ビジネスを通じて社会課題を解決する」と変えることにしました。
まだまだ小さな雑誌であり、社会的影響力も大きくないですが、100号、200号に向けて、そして創刊20年、30年に向けて、この存在意義は守り抜きたい所存です。
SDGsの本意は「アウトサイド・イン」(社会的課題を起点にしたビジネス創出)」です。国連も、ビジネスの力に期待しています。お祭り騒ぎといっても、SDGsの存在すら知らない人たちもたくさんいます。
まずは知ること。その次は、動くこと。それが大事です。そのために、オルタナはまず読者や社会に「知ってもらう」ための努力を続けていきます。
オルタナの存在意義(パーパス):ビジネスを通じて社会課題を解決する
オルタナの使命(ミッション、創刊時に掲げたものを一部修正)
1)サステナビリティ(持続可能性)やCSR(企業の社会的責任・社会対応力)、環境など、持続可能な価値観で動く企業や社会の動きを積極的に報道する。
2)こうした企業と連携し、コミュニティをつくり、相互交流を図る。
3)コミュニティの輪を広げ、私たちの社会をより持続可能な存在にする。
◆◆オルタナ創刊10周年記念ムービー