「東北チアフェスティバル」をご存知でしょうか。チアリーダーに憧れる子どもやプロのダンサーなどが集結し、東北の笑顔と元気を発信することを⽬的に開催されるチアの祭典です。発起人である石河美奈さんに話を聞きました。(目白大学安斎ゼミ=木下 菫、髙橋 沙良、玉木 恵海、三浦 めぐみ)
7月、宮城県にあるゼビオアリーナでは、ネオンがきらめき、アップテンポの音楽が鳴り響き、まるでアメリカのアリーナを彷彿させる光景が広がっていました。延べ1000人を超える参加者が10時から18時まで、休みなくパフォーマンスを繰り広げていました。
「東北チアフェスティバル」を主催するのは東北チアフェスティバル実行委員会。イベントは三部構成となっていて、一部は東北六県からチアを中心にヒップホップやバトントワリングなどのチームが参加。日頃の成果を披露しました。
二部では大会出場を目指すチームがチアを披露。その場でプロの講師からアドバイスを受けることができるステージでしだ。三部ではプロのチアダンサーが登場。圧巻のステージが繰り広げられました。
東北チアフェスティバルは東日本大震災で被災したことがきっかけで始まりました。ゼビオアリーナがある、あすと長町は再開発された土地です。発起人である石河美奈さんは、復興に向けて支えてくれた様々な人に感謝を伝えたいと考え、ゼビオアリーナを復興の象徴の場所として「あすとから明日へ」と掲げ、企画しました。
実は、石河さんもチアの経験者。今回のチアフェスはチアの普及だけでなく、「見える形で多くの人を応援して感謝を伝えたい」という願いを込めたと強調しました。
被災当時、現地の人は明日を生きるのも精一杯な状況だったと石河さんは振り返ります。そのような中で、子どもたちに夢を見てもらうため、ゼビオアリーナを本場アメリカの舞台さながらのステージにしました。
1年目は試験的に行い、スタッフを動かすことへの不慣れさと人材不足とで寝袋生活を余儀なくされたと明かします。もう二度と開催しないと思ったそうですが、子どもたちの「また同じステージに立ちたい」という声を聞き、2年目も開催することを決心。継続したことでスタッフも増え、本来描いていたイベントへの道筋が見えてきたと言います。
「東北で被災した子どもたちの夢を叶えさせることが本当の復興に繋がっていく」と石河さんは、強調しました。