日本財団CANPANプロジェクトは12月21日、「キフカッション2017」と題して、寄付について話し合うセミナーを開いた。NPO関係者やファンドレイジング(資金調達)の担当者ら40人ほどが参加した。2015年から開催されているキフカッションは、今年で3回目。今年の寄付について語り合った。(中山 裕太=中央大学経済学部3年/山﨑ゼミ)
寄付月間(Giving December)は12月1日から31日の間、NPO、大学、企業、行政など寄付関係者が協働で行うキャンペーン。寄付で人々の幸せを生み出す社会をつくることを目指した。
寄付月間がはじまった2015年は、23の企画と122の賛同法人であったが3年目の今年は、127の企画と503の賛同法人と大幅に増えた。このセミナーも127ある企画のひとつで、「2017年の寄付に関する気づきや寄付を集めた方法などを話し合った。
参加者からは下記の意見が出た。
・ファンドレイザーはスキルの前に「人格」が大切
・寄付は投票以外の新しい社会への意志表明かも?
・社会への不安・恐れを超えた「なりたい姿」を意志を持って見据える
・活動内容より活動への想いに共感する
・寄付を広げたい、でも、依存はしない
設樂剛事務所共同代表の松原朋子氏は、寄付を集めるためには、物語が必要と述べた。「過去から現在までも物語の一部だが、寄付を募る際は、しっかりとした未来構想も踏まえた物語が大切である」と訴えた。
日本の寄付市場は約1兆5600億円。一人当たりの寄付額は2万7千円と、米国の約4分の1、英国の約3分の1にとどまる。日本ファンドレイジング協会代表理事を務める鵜尾雅隆氏は、個人の寄付意識を高めていくために、「寄付に関する成功実体験の積み重ね」が必要であると指摘した。