ピリカ(東京・渋谷)は3月25日、国内の河川など100カ所で実施していた「マイクロプラスチック等の浮遊状況調査」の結果を公表した。調査で採取したマイクロプラスチックのうち、人工芝や農業用肥料カプセルが多くを占めた。日本国内のマイクロプラスチックの浮遊量は東南アジアのメコン川下流域と比較しても多いことが明らかになった。(オルタナ編集部=多田野 豪)
このほど公表した2019年度の調査では、国内100地点のうち98地点でマイクロプラスチックが見つかった。港湾の流れの少ない角などには、100個/m³以上のマイクロプラスチックが浮遊する「ホットスポット」が存在することが判明した。
採取量の14%を占めたのは、人工芝だ。今回の調査を実施した100地点のうち、75地点で見つかったという。
今回採取したマイクロプラスチックを、東南アジアのメコン川下流域での調査結果と比較した結果、日本国内のマイクロプラスチックの浮遊量(個/立方メートル)の方が多いことが分かった。
河川・湖のみで比較しているが、ホットスポットが集中する港湾のデータを考慮すると、日本の値はさらに増加する。
「プラスチックの海洋流出は発展途上国の問題ではない。我々日本人もできることから対応しなければならない」と、小嶌代表は強調した。
今回の調査で明らかになった、人工芝に関する事実
・スポーツ用途の場合、85%以上の施設で人工芝の流出が発生していた。
・スポーツ以外の用途(庭など)では、流出の可能性は25%以下と低かった。
・施設から流出した人工芝は水路や下水等を通じて、河川や港湾へと流出していると考えられる。
*ピリカ社のデータに不備があったため、5月20日に修正しました。