神奈川県藤沢市で活動している「NPO法人 湘南市民メディアネットワーク」。映像事業を通して人と人、あるいは人と地域をつなげる活動を行う団体である。不登校・引きこもり・貧困などの問題を抱える子どもたちへの社会参加の支援などにも注力している。代表の中野晃太さんに話を聞いた。(武蔵大学松本ゼミ支局=大場瑞希・武蔵大学社会学部メディア社会学科2年)
活動内容は幅広い。行政やNPO法人から委託された地域のPR映像の制作、映像制作ワークショップ、映像祭の企画など多岐に渡る。
先述した映像制作ワークショップでは、NPO法人フリースペースたまりば、児童養護施設などと協力して地域の子どもたちに、映像の撮影から編集までのやり方を教えている。
映像制作がどうして社会参加への支援につながるのか。中野さんは、「カメラの前には対象として自分以外の他者・社会があって、映像制作を通してそれらとつながることができる」と話した。
メンバーと協力し、映像を撮影、編集していく過程の中で、撮影の対象となる相手や地域を学ぶ。そのことで日常では味わえないコミュニケーションを体験できるという。完成した映像を鑑賞し合うことで、お互いの視点や価値観を共有し、認め合う姿勢が生まれることも魅力だと語る。
受講者の中には、映像を用いて自分の価値観や好きなものを自由に表現し、それを人に見てもらうことで、自分に自信を持てるようになった人もいるという話を聞いた。