宮崎県に特化した情報を伝えているウェブメディア「宮崎てげてげ通信」(以下テゲツー)をご存知だろうか。執筆方針は「愛とノリ」。スポンサーをつけずに、宮崎を愛する人たちの善意の思いで成長中のメディアである。代表の長友まさ美さんに話を聞いた。(武蔵大学松本ゼミ支局=田村 柚佳・武蔵大学・社会学部メディア社会学科2年)

宮崎への思いを語る代表の長友さん

長友さんがテゲツーで実際に記事を書き始めたのは2014年の1月から。その当時は、今の「NPO法人まちづくりGIFT」や「地域商社こゆ財団」の代表をしている斎藤潤一さんと2人で執筆していた。

かつて長友さんが受け持っていたラジオ番組で出会った2人は、どちらもローカルメディアに興味があり、情報がストックしていく形を作れるようなローカルメディアを立ち上げたいという思いから執筆を始めた。

しかし、情報を伝えるためのパワーが2人では圧倒的に足りない。そこで、宮崎の魅力を発信したいと思っている人たちに声をかけて、団体を大きくすることにした。今のメンバーで活動を始めたのが2014年5月であり、団体を公に発表したのも同時期である。

さらに5ヶ月後、様々な事業に挑戦するための運営費を集めるため、クラウドファンディングを始めた。約106万円の資金を集め、多くの人がテゲツーの情報を求めているのだと気付いた、と長友さんは話す。

テゲツーの活動における執筆方針は「愛とノリ」。宮崎の愛と、楽しくやっていこうという思いから立ち上げた。設立当初は、「県外に行った時に宮崎について聞かれること」、「地元の人だから知っていること」、「宮崎への移住定住」――をテーマに記事を書いていた。

しかし2015年からは、ブログの書き方などを学ぶセミナーなど、人と人をつなげることを目的としたリアルイベントを企画するようになった。さらに、人にフォーカスした記事を書くため、単にモノの紹介ではなくて、実際にその場へ足を運び、それに関わる人や何かに挑戦している人に直接話を聞き、記事を執筆するスタイルを取るようにした。

クラウドファンディング以降の必要な経費については2つの方法で資金調達を行っている。

1つ目はタイアップしている企業からの出資だ。宮崎の良さを伝えることに一緒になって考えてくれる、移住定住のイベントに協力してくれる企業が、テゲツーの力になっている。

2つ目は、行政との共同発信事業である。行政が伝えたい情報を、テゲツーと一緒になってプロモーションを行い、その活動から資金を得ている。

ここで驚いたことがある。それは、費用をまかなうためにスポンサーをつけないということだ。

その理由は、プレッシャーを感じながら記事を書くよりも、純粋に一緒になって宮崎を豊かにしていきたいという思いがあるからだという。ここにも、テゲツーの宮崎への愛があると思った。




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