80以上のNGOからなるオープンウィングアライアンス(以下OWA)はこのほど、「バーガーキング」などを運営するレストラン・ブランズ・インターナショナル(以下RBI、カナダ)に対して、ケージ飼育で生産された鶏の卵の取り扱いをやめるように訴えるグローバルキャンペーンを展開している。28日には100%ケージフリー(平飼い)への切り替えを求めるためオンライン署名を始めた。(オルタナS編集長=池田 真隆)
鶏は1日1万回以上地面を突いたり、日光浴をしながら運動をしたりして心身の健康を保つ動物である。しかし、日本の採卵養鶏場の92%は、バタリーケージという身動きが取れない狭いケージに閉じ込めて飼育している。
平飼いで育てている鶏と比べると骨は3分の1の薄さになり、寄生虫を落とすため農薬を全身にかけられて飼育されている。劣悪な飼育環境は世界中で問題視されており、動物福祉としてケージ飼育をやめるグローバル企業は増えている。
ユニリーバやネスレ、ヒルトン、マリオットグループ、コンパスグループ、バリラなどがそうだ。日本では70以上の企業や店舗が平飼いに切り替えた。
今回のグローバルキャンペーンを主催しているオープンウィングアライアンスのディレクター・アレクサンドリア・ベックは、「大手ファーストフードチェーンの1社として、バーガーキングはサプライチェーン内の動物が毎日耐えている苦しみに対処する責任がある」と語る。
国内のOWA加盟団体で、日本におけるキャンペーンを主導する認定NPO法人アニマルライツセンターの岡田千尋・代表理事は、「アニマルライツセンターからの問い合わせに対しても、『食材の調達に関しては答えられない』という回答しか得ていない。調味料を含む食材調達のサプライチェーン全体に責任を持ち、100%のケージフリーポリシーを日本を含む世界全体で発表されることを望む」と述べた。