2014年に公開された環境ドキュメンタリー映画「cowspiracy サステナビリティ(持続可能性)の秘密」(監督キップ・アンデルセン、キーガン・カーン)は、「We can change the world」「We must change the world」、そんなメッセージを感じる作品だ。僕はNetflixでこの映画を観て動物性のものを摂らないヴィーガンを始めた。ヴィーガンはある記事によれば、「健康由来のダイエタリー・ヴィーガン」「環境由来のエンバイロメンタル・ヴィーガン」「動物由来のエシカル・ヴィーガン」――の3パターンの動機にセグメントできるようだ。(石田 吉信=Lond共同代表)

cowspiracy サステナビリティ(持続可能性)の秘密

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” open=”no” style=”default” icon=”plus” anchor=”” class=””]僕は環境由来のエンバイロメンタル・ヴィーガンと呼ばれるもののようだ。肉食をやめて困ったことは何もない。むしろ、毎日の自分の食事が少しでも地球に優しいと思えるので気持ちがいい。

劇中でアメリカの農業専門家であるハワード・ライマンは言う。「動物を食べる人間は環境保護主義者じゃない。誰が何を食べようと構わないが、環境保護主義者とは名乗らせない」。僕はどうやらハワードに環境保護主義者と名乗る権利をもらったようだ。

2018年、IPCC(気候変動における政府間パネル)が世界へ警笛を鳴らす「1.5度目標」。1800年代の産業革命後から世界の平均気温上昇をを1.5度までにしようと提案する。現在1.1度上がっている。あと0.4度だ。当初2度目標であったがそれでは地球の様々なところで問題が起きて取り返しのつかないことになるティッピングポイントが訪れると世界の環境科学者は推測した。

この映画が公開されたのはSDGsが発足される1年前だの2014年だ。どうやら人類に社会課題が浸透するのにはかなりの時間と、身に降りかかるほどの危機感が必要なようだ。

昨今、世界中で話題の気候危機に対して、一人一人に何ができるのか?それはまずこのドキュメンタリーを何気なく見るところからでもいいかもしれない。

このドキュメンタリー映画は、この映画の監督の一人であるキップ監督が、元アメリカ合衆国副大統領であり環境活動家アル・ゴアの「不都合な真実」を観て環境保護に目覚め、環境に配慮した生活スタイルに改めるところから始まる。ゴミの分別、リサイクル、水や電気の節約、移動は自転車に。

しかし、地球環境は日に日に悪化の一途を辿る。キップ監督は何か根本的なものを見逃してるのではないか?と疑問符を持った。

そんなある日、ある記事に目を止める。「国連の報告によると、温室効果ガスの排出量は運輸関係より畜産関係のほうが多いらしい」。

温室効果ガスの排出量が乗用車、トラック、鉄道、船舶、飛行機の合計よりも多い?キップは環境保全として自転車移動に切り替えていたが、なんと化石燃料より地球に悪質なものがあったようだ。

調べを進めると、畜産業は温室効果ガス排出のみならず、環境破壊につながる資源消費の最先鋒であることも知る。キップ監督は、環境アクティビストとして日頃から環境に優しい行動をすると共に様々な情報を集めていたのに、「何故、畜産業が気候変動の主要因の一つであることに気付かなかったのか?」という疑問符を浮べる。

そこで、主要国際環境団体のホームページをチェックする。350.org、グリーンピース、シエラクラブ、クライメイトリアリティ、アマゾンウォッチ、、、しかし、どこも畜産業には全く触れておらず、水の消費と汚染を促進するとして天然ガスや石油の開発を叩いてばかりだった。

天然ガスや石油の開発で行う水圧破砕法ではアメリカで言えば、水の年間消費量は4000億リットル。それに比べ、畜産業が消費する水は年間130兆リットル。300倍以上だ。ハンバーガー1つ作るのに使う水は2500リットル、それは2ヶ月間シャワーを浴びるのと同等だ(日頃の節水は何だったのか、、、)

アメリカにおいて家庭での水消費はたかが知れて水消費全体の5%、それに比べ、畜産業は水消費の55%を占める。

キップ監督はそれから畜産業について徹底的に調べると共に様々な環境科学者、研究者、作家などに畜産業の真実を聞いて回った。

以下、この映画に出てくる一部の様々なデータだ。

・畜産業により毎秒アメフトコートほどの森林伐採が行われている。
・牛肉500グラム作るのに1万リットルの水が必要、500gの卵は1800リットル必要、500gのチーズは3400リットル必要、1リットルの牛乳をつくるには1000リットルの水が必要。
・現在、地球上では、およそ10億人が飢えているのに、農産物の半分は家畜のエサとなっていて、アメリカでは生産される大豆の90%が家畜のエサ用である。
・飢えに苦しむ子供の82%は畜産業が盛んな国で暮らしている。作られた製品のほとんどは先進国に送られる。
・人類は毎日200億リットルの水を飲み、10億キロの食糧を食べる。15億頭の牛は毎日1700億リットルの水を飲み、600億キロほどの食糧を食べる。ㅤㅤㅤㅤ
・畜産業は、温暖化係数でいえば二酸化炭素の296倍の亜酸化窒素を大量に排出する。
・世界銀行の専門家が、二酸化炭素やメタンの吸収源の減少を考慮した上で、人間が起こす温暖化原因の51%が畜産業によるものという。ㅤㅤㅤㅤ
・世界の水消費の3割は畜産業によるもの。地球の45%にあたいし、ブラジルの森林破壊の原因の91%を占め、酸欠海域をつくり、絶滅種の主要因にもなる。
・環境研究者リチャード・オッペンレッダー「今後化石燃料を一切使わなくても温室効果ガスの排出は増加して2030年には限界値を超える予測、【畜産だけで】それだけ増加する」。
・1万年前の99%は野生動物、人類は1%。現代は人類と家畜が98%。
・1812年 世界人口 10億人、1912年 15億人、2012年 70億人、家畜は700億匹
・アメリカでは牛のふんは毎秒53億トン、世界中で500箇所以上の酸欠海域を作っている、25万平方キロメートルの海域で生物が死滅している。
・国連によると世界漁業の3/4は乱獲に影響を受けている。シーシェパードは2048年には海から魚がいなくなるという。
・乱獲により1キロ魚を獲るごとに5キロの不要な海の動物も獲ってしまう。
・地球の1/3は砂漠化しているその主要因は家畜の放牧である。
・ヴィーガンは肉食者よりCo2排出は半分、化石燃料の使用は1/11、水の使用は1/13、土地の使用は1/18

この映画の中で、行政や様々な国際環境団体にメールや電話でアポイントを取るが断られたり、インタビューまでこぎつけるも畜産業については口をつぐまれたりする。「何故、国際環境団体は畜産業について言及しないのだろう?」とキップ監督は疑念を強める。

様々な団体とのインタビューを進めるうちに、少しずつその疑念の答えに触れていく。それはこの映画製作続行も危ぶまれる内容であった、、、、

是非、この映画から環境問題に興味を持ったならレオナルド・ディカプリオの環境ドキュメンタリー「地球が壊れる前に」もオススメする。この映画で、「ヴィーガンに食生活を変えたほうがいいのはわかったけど、体調不良にならない?」と思った方は、「ゲームチェンジャー」を観てみてほしい。固定観念が払拭できるかもしれない。地球のサステナビリティは果たして守られるだろうか?

石田吉信:
株式会社Lond代表取締役。美容師として都内3店舗を経て、28歳の時に異例の「専門学校のクラスメイト6人」で起業。現在銀座を中心に国内外、計19サロンを運営中。1号店のLondがHotpepper beauty awardで3年連続売り上げ全国1位を獲得。「従業員第一主義」「従業員の物心両面の幸福の追求」を理念に、70%以上という言われる高離職率の美容室業界で低離職率(7年目で130人中5人離職)を実現。また美容業界では未だほぼ皆無であるCSR、サステナビリティに向き合い、実践の傍ら普及にも努めている。instgram




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