10月28日、カンボジアのエイズ実態に迫ったドキュメンタリー映画「それでも運命にイエスという」の上映会が東京下北沢で開催された。
約40分間のその作品には、母子感染でHIVに感染し15歳以上まで生きられないが無邪気に笑う子どもたち、高額な親の入院費の返済のため一回1ドルで一日に4、5人の見知らぬ男性と寝る17歳の女の子、政府から強制移住させられ、差別を受け続けるエイズ村の人々などの日常が克明に映し出されている。
映像製作とは無縁の小川光一さん(当時24歳)と葉田甲太さん(当時27歳)の二人の若者が製作したこの作品は見る者の心にありのままの現実を突きつける。映画バトルロワイアルⅡの監督である深作健太氏は「言葉にならない。どんな言葉を絞り出しても嘘になってしまう」と評している。
昨年のUFPFF国際平和映像祭に選出された経歴を持ち、今秋から全国で公開されている向井理初主演映画「僕たちは世界を変えることができない~But.we wanna build a school in Cambodia.」のサイドストーリーとしても話題を集めている。
上映会を開催したワールドカフェ&バーINSTEP LIGHTの店主である小川光一さんは、同作品の共同監督でもある。今後はこのカフェ限定で毎月上映会を行っていく予定である。
店主の小川さんは「カンボジアの現状と共に、日本にも深く根付く偏見や差別について訴えていきたい」と想いを語った。(オルタナS特派員 池田真隆)
備考
・予告編「それでも運命にイエスという」
・「僕たちは世界を変えることができない~But.we wanna build a school in Cambodia.」