東京都の離島、伊豆諸島のひとつである神津島(こうづしま)の漁協はソーシャル
メディアを活用した魚の直販サイト「島結び」をオープンさせた。


サイトでは島の文化や漁協で働く人のインタビューが紹介されているほか、
漁協職員が毎日の漁の様子をツイートしたり、神津島の魚を食べた感想を
ハッシュタグをつけてつぶやいてもらうなどソーシャルメディアを積極的に
活用。島の魅力を発信することで本土のレストランとの直接取引を目指す。

神津島は面積18.59平方㎞、人口約1,980人という小さな島だが、水産資源に
恵まれており、カツオ・シマアジ・イセエビ、イカ類など様々な種類の水産物が
水揚げされる。特に島で一番の漁獲高を誇る金目鯛は、脂が程よくのった
ブランド魚として評判。金目鯛漁を100年続けるために自主的に生態系保全
ルールを設けているなど漁師たちの資源管理の意識も高い。しかしそれでも
近年は漁獲高が減少傾向にある。

キンメダイ一本釣り四か条(島結びより抜粋)


とある漁師の方は「俺たちが子どもの頃、漁師という仕事はスターだった」
と語り、「上の世代に見せてもらったような姿を次の世代にも伝えたい」と話す。

自らが販路を持って魚の価格交渉力を高めることができなければ漁師という
仕事を残していけない。島結びが生まれた背景にはこうした島の漁師たちの
強い危機感がある。

「神津島の漁師という仕事を次世代に残したい。」その想いがあるからこそ、
自らサイトをつくり資源管理をきちんと行っている。

次の世代につなぐというシンプルな動機。持続可能な社会という言葉が叫ばれて
久しいが、神津島の漁師たちは地に足をつけた形で、漁業の持続可能性を追い
求めている。

■神津島漁協共同組合HP 「島結び」