2011年11月24日、先の大震災で被災した宮城県仙台市の七郷小学校で、花を使ったコミュニケーション授業が開催された。

夢中になって飾りつけする児童

















主催は一般社団法人「花の応援団」。花の応援団とは今年3月に発生した東日本大震災を受けて発足した、花を通して心の支援をする団体である。全国展開している青山フラワーマーケットを運営する株式会社パーク・コーポレーションが中心となって全国の花業界関係者、賛同者で構成されている。

この日は、七郷小学校の6年生児童153名に「花を通して地域に根付く活動」をテーマに花のアレンジメント方法を教えた。作成したのはクリスマス間近ともあって、ミニクリスマスツリーである。

花を普段見ているだけの児童にとっては、花を作成することは生まれて初めての体験である。自らはさみを使って、ツリーの高さを調整したり、ミニリンゴを磨いて飾り付けしたりと、子どもならではの自由な発想を活かしたツリーが続々と誕生した。

















ミニクリスマスツリーは2つ作成された。一つは日頃からお世話になっている両親へのプレゼント用。そしてもう一つは被災されて仮説住宅で暮らしている方への物である。それらのミニクリスマスツリーに感謝を伝えるメッセージカードを添えて児童たちは大事にそーっと袋にしまった。

















また、花の応援団からの少し早いクリスマスプレゼントとして、特大クリスマスツリーが与えられた。花の応援団のスタッフが高さ約2メートルのクリスマスツリーをその場で作成し、児童たちはそのツリーに「仙台の将来への希望」を漢字一言で書き入れたカードをぶら下げた。

その特大クリスマスツリーには、「感謝」「絆」「夢」など児童たちのありのままの地元仙台に対しての想いが飾られたが、頂点に飾られたカードには「生きる」と書かれていた。

















当日、作成したミニクリスマスツリーを小学校近くの仮説住宅へ持っていき児童たちから住民へ手渡された。ミニクリスマスツリーを受け取った仮説住宅に住む60代の男性は「震災で無くなってしまったものがたくさんあるが、これで今年のクリスマスは華やかになる。どうもありがとう」と言って目を細めた。

普段恥ずかしくて言えないようなことも花を通すと自然と言える。花の持つ人と人の壁をなくす効果で、これからの被災地域のコミュニケーションに役立てて欲しい。(オルタナS特派員 池田真隆)


花の応援団