2006年には女性首相も誕生したことのあるジャマイカ。男性よりも女性の就学率が高く、途上国の中では女性の社会進出が進んでいることで知られる。

ジャマイカではお尻が大きい女性が魅力的であるとされている


ジャマイカで「おでぶちゃん」は褒め言葉だ。お尻が大きい方が女性的な魅力が高いとされる。また、服を買う為には食事を抜き、給料日前にはレストランはガラガラという光景が日常的に見られる。対して男性はマッチョ(Machoism)であることが良しとされ、多くの女性と関係を持ち、多くの子どもを持つことが男らしさとして認められている。

その結果、女性は父親の違う子どもを何人も産むことになるが、男性は子どもの養育や経済的な責任を一切持たない。子どもの養育は全て女性の責任とされ、仕事をしながら子育てをする。

この国では奴隷制度において結婚が許されなかった時代背景もあり、法的な拘束力を持たない慣習法上の結婚が75%を占める。この結婚生活が5年以上続くと財産分与や相続の対象となる為、その前に分かれるカップルも多いと聞く。

悲劇の女性と思うことなかれ、乗合タクシーの中で流れるラジオの人生相談をきっかけに乗客全員で議論をすることもあれば、バスで酔った際には何度でも停車してくれるのがジャマイカ。公的なサポートに期待せずに、昔から続く助け合いの関係が有効に働いているのだ。母親は一家の大黒柱として仕事をしながら、今日もオシャレに力を注ぐ。 (オルタナS特派員=原彩子)