海の近くで暮らしたい。そんな思いで東京から神奈川県・茅ヶ崎へ移住した浅野さおりさんは、色々な海の姿を知ったという。

多くの人が集まり楽しいひと時を過ごす


夏は人で賑わい、驚くほどにゴミだらけの砂浜。砂浜に座り見上げる花火大会。冬は人の少ない静かな海。青々とした色。空の青と海の青がつながって素晴らしい景色。そして夜はプラネタリウムのように美しい冬の空に波音のBGM。

楽しそうに遊ぶ子どもや、黄昏れる人、お散歩の犬たち。堤防の先に座って潮風を感じ、波の音を聞きながらぼーっとするのは本当に心地いい。覗き込むと小魚の群れがきらきらと泳いでいたり、波打ち際を歩きながらビーチグラスや貝殻を拾っていると嫌なことを忘れていたり。

「海のそばで暮らし始めて色々なことを知り、感じ、穏やかな時間や静かな気持ちもたくさんいただいて過ごしています」と浅野さん。

海だけではなく、時間も町の人たちもゆったりとしているそう。近所の八百屋さんに通りかかると声をかけてもらったり、パンが沢山焼けたらお向かいの方やご近所の方にお裾分けをしたりすることもしばしば。

茅ヶ崎といえば海やサザンオールスターズをイメージする人が多いと思うが、素顔は人と人との温かみと居心地の良さが満ちた素敵な町だった。(オルタナS特派員=木村絵理)