近年、ますます激しさを増す就職活動。学生たちを苦しめる根本的原因と言われているのが大学を卒業するとすぐに働くことになる新卒一括採用制度である。
しかし、世界的に見れば新卒一括採用は日本特有の制度である。では、新卒一括採用が無いと就職活動はどうなるのであろう。例えばイギリスと比較してみる。イギリスでは新卒一括採用は無く、そもそも「経験」がないと就職できない世界である。
また、就職する会社は大学で学んだ分野を活かせるところしか選ばない。また、転職はあるが、日本のように職種ががらっと変わることと違って、前職と同じ職種に就く。
上記のことが前提としてイギリスの就職活動は成り立っているので、まず学生たちは自分の興味のある職場に積極的に関わる。インターンやボランティアなどで経験をつけるのである。また、会社での出世に大きく関わってくるので大学での専攻分野の勉強はおろそかにしない。
また、面接で落とされた場合のフィードバックもイギリスはしっかりと個別に対応してくれる。定型文のメール1本で済ませる日本とは大違いである。
イギリスではそもそも「内定」という概念が無い。なぜなら同時に新卒で取って教育させることをしないからである。まずはアルバイトやインターンで雇い、それからしばらくして正社員として雇用する。
「経験」させてから進路を決めるイギリスと「経験」がまだ無いが進路を決めさせる日本。あなたが面接官ならどちらの学生を採用するだろうか。(オルタナS特派員 池田真隆)