これまで森ガールや山ガールが流行したが、カナダには本格的に生業としている「泥ガール」がいる。彼女たちは2006年にNPO「Mud Girls(=泥ガール)」を結成し、砂や粘土、麦わらなどを水で混ぜた“コブ”という自然素材で家を造っている。




作り方はとてもシンプル。まず木で骨組みを建て、あとは手でコブを塗っていくだけ。ドアや窓も好きなところに組み入れることができる。メンバーの一人は「コブはサステナブルでエコな素材。それにもし大きな窓が欲しかったらコブを切ればいいし、小さい窓がよければコブを加えればいい。とってもフレキシブルでしょ」と話す。



何十人ものボランティアと数か月かけて造り上げ、その過程でみな作り方を習得し、自分の家を造るときにまた手伝ってくれる人を集めて教える、という方法で広めてきたという。一週間単位でコブハウス造りを学ぶワークショップも開催されている。




完成した家はこちら



内装も温かみがあっておしゃれ。



「Mud Girls」が活動しているソルトスプリング島はカナダ西部に位置し、ロハス思考のアーティストたちが移住した島として有名だ。島内にはワークショップで造られたコブハウスがいくつもあり、実際に住んでいる人もいる。夏は涼しく冬は暖かく耐久性もあるが、水に弱いため雨から避けられるよう屋根を大きくしたり、大きな石を敷き詰めて地面から高くしたりと様々な工夫が凝らされている。



泥の家を建てるのは難しくても、心から地球のことを考えたライフスタイルを実行することは誰でもどこでも出来るはず。「Mud Girls」はファッションだけではないナチュラルガール(もちろんボーイも)のお手本となりそうだ。(オルタナS 木村絵里)

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