大阪の芸術文化活動の支援を目的として2011年11月に設立されたおおさか創造千島財団(本社・大阪市、芝川能一理事長)がこのほど2つの助成の公募を開始した。公募では2012年4月以降に行われる活動を対象とし、「創造活動助成」と、「スペース助成」の対象活動の募集を行っている。

会場提供を行うクリエイティブセンター大阪(提供・おおさか創造千島財団)


同財団は2011年1月に不動産賃貸業を営む千島土地の設立100周年の記念事業として設立。千島土地は地域への社会貢献として芸術に着目し、同社が所有する北加賀屋の物件を中心に2004年から芸術文化支援活動を行っている。巨大なアヒルを川に浮かべることで全国的に有名になったラバーダックや空き家にアーティストやクリエイターを誘致する「北加賀屋クリエイティブ・ビレッジ構想」も同社の取り組みだ。

この構想は2011年10月に企業メセナ協議会が主催した「メセナアワード2011」で、芸術文化振興にもっとも高く貢献したメセナ活動に与えられる「メセナ大賞」も受賞している。

同財団は大阪でアーティストやクリエイターが活動しやすい環境を生み出すことを目的として2種類の公募助成を開始。1つは大阪府内のアーティストや活動を対象として、活動資金の一部を助成金として交付。一件あたり最大50万円が助成される。もう一つは千島土地が所有する造船所跡地を改装した「クリエイティブセンター大阪」で開催するイベントや展示に無償で提供する。

2012年4月1日から2013年3月31日までの活動を対象とし、創造活動助成では15件程度、スペース助成では5件程度の支援を行う予定だ。

活動のジャンルを問わず、助成金の使途を問わないため、これまで行政などが行う助成制度では申請ができなかった活動でも支援の対象になる。これにより既存の助成金では対象にならなかった若手アーティストの発掘を見込んでいる。

理事長の芝川能一さんは「文化・芸術活動の支援に特化した財団と、不動産業を行う千島土地のそれぞれの強みを生かし、大阪の創造的な環境づくりのプラットフォームになることを目指しています。地域とアートが結びつくことで地域活性化につなげ、この活動を全国に広げるためのモデルケースにしたいと思っています」と意気込みを語った。

対象活動の募集は2012年2月10日まで。(オルタナ関西支局=岸田勇人)